取材当日は胡蝶しのぶカラーの紫のワンピースで登場した(撮影/写真部・高野楓菜)
取材当日は胡蝶しのぶカラーの紫のワンピースで登場した(撮影/写真部・高野楓菜)

――6歳の娘さんも、一緒に鬼滅を楽しんでいるそうですね。

 うちでは、鬼滅は共通言語のようになっています。例えば洋服売り場で黄色と赤い服が並んでいたら、「煉獄さんカラーだね」って。今日も娘と立ち寄ったお店の近くにかやぶき屋根の家が保存されていて、「炭治郎の家っぽいよね」と。日常会話の中で鬼滅が溶け込んでいますね。

 あとは、読み聞かせ。娘はまだ幼稚園児で漫画を読むことが大変なので、アニメ化されていない部分は私に「読んで」と頼んでくるんです。ベッドの上で私が23巻を音読して、2人で号泣です(笑)。

――鬼滅は鬼の首をはねるシーンなどもあり、PG12(12歳未満は保護者の助言・指導が必要)に指定されています。小さい子供を持つ親の間でも、見せるか見せないかで様々な意見がありますが、眞鍋さんの考えはいかがでしょうか。

(鬼を斬る描写が)怖くて見られないという子もいますし、怖いと感じるのであれば見る必要はないと思います。ですが、物語の本質は残酷なことではないので、本人が怖いと感じないのであれば、禁止する必要はないと思います。個人的には、娘と一緒に見たことによってメリットはたくさんあったなと思っています。

――例えばどのようなメリットを感じましたか。

「無限列車編」のDVDを観て、娘とソファで抱き合って号泣するのですが、親子で抱擁して号泣しながら見る作品って、なかなかないですよね。私も子どもの頃にドラゴンボールを見ていたら、父が私以上にハマっていて、ピッコロ大魔王との戦いがどうなったのかを楽しみに、仕事から走って帰ってきたことがありました。そんな父の姿をすごくうれしく感じた記憶があるので、親子で同じものに夢中になる共通体験があるのは、素晴らしいことだなと思っています。

 あとは、鬼滅をきっかけに、娘が日本文化に親しんでくれるようになりました。神社参拝しに行くとき、和風を着て神様にごあいさつしに行くと言うと、エンジョイしてくれる。鬼滅の世界を体感するような感覚で、日本文化を楽しむ入り口になったと思います。作品は、興味のきっかけになる扉。漫画やアニメ作品を好きになれば、その世界観をベースに知識を広げていけるのはすごくいいですよね。

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鬼滅は生きるモチベーション