左から吉村洋文大阪府知事と小池百合子東京都知事(C)朝日新聞社
左から吉村洋文大阪府知事と小池百合子東京都知事(C)朝日新聞社
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 新型コロナウイルスの世界の感染者は、米ジョンズ・ホプキンス大の集計で累計2億5千万人を超え、死者は累計505万人に達したことがわかった。ワクチン接種が進み日本の感染状況は落ち着きつつあるが、英国やドイツで感染者が急増するなど「ブレークスルー感染」が欧州で広がっている。

【表】世界主要都市の新型コロナウイルス感染状況はこちら

 AERAdot.編集部は「世界主要都市のコロナ感染状況比較」という政府の分析資料を入手。資料によると、大阪は人口10万人あたりでのコロナ陽性者に占める死亡者の割合、いわゆる「致死率」がイギリスやベルリン並みの高さであることがわかった。それぞれの都市で条件が違うので単純比較は出来ないが、分析によると、致死率のトップはニューヨークの3.06%。ロンドンで1.71%、ベルリンは1.63%、マドリードは1.8%、モスクワは1.72%だったのに対し、大阪は1・51%。東京の0.83%より上回っていた。

世界主要都市の新型コロナウイルス感染状況比較(2021年11月4日付)
世界主要都市の新型コロナウイルス感染状況比較(2021年11月4日付)

 コロナ治療にあたった大阪市内の医師はこの結果についてこう語る。

「東京のほうが、大阪より人口が2倍近くいて、陽性者も2倍弱と多い。それなのに致死率が高いのは、医療体制の違いですね。大阪では東京より入院できない人、治療を受けられない人の割合が多かった。救急隊員から連絡がきても、病床がなく、断わるばかりでした。大阪は第4波の時、準備不足のまま、感染爆発が起こり、入院できない自宅療養患者があふれてしまい対応しきれなくなった。その後も対応が遅くなるので、カクテル療法の期限が過ぎてしまい、重症化を招くという例を私もいくつか経験した。東京と大阪で死亡者数が100人しか差がない結果をみても、よくわかります。初期治療ができれば、多くの人が重症化しなかったと思うが、ベッドがなくて遅れてしまった。大阪府のコロナへの見通しが甘かったということでしょう」

 一方、1%を切る致死率だった東京は、最大のヤマであった第5波でも医療崩壊することなく踏みとどまったという。その要因は2つあると厚生労働省関係者が分析する。

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