漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「阿佐ケ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」(NHK総合 月曜22:45~)をウォッチした。
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日本二大ビジネス姉妹といえば、叶姉妹と阿佐ケ谷姉妹。血のつながりが無いことは先刻承知だが、我々はなぜか彼女たちをフワッと「姉妹」だと認識している。ビジネス姉はビジネス妹のことを「美香さん」「美穂さん」と、「さん」付けで呼ぶのが定番だ。
そんな阿佐ケ谷ビジネス姉妹が実写ドラマ化されました。姉・江里子を演じるのは木村多江。妹・美穂は安藤玉恵。
なんで本人がやらないのかって。ま、本人が出てきたらドラマ枠じゃなくてドキュメンタリー。しかも多江と玉恵の姉妹っぷり。これがとんでもなく「阿佐ケ谷」だった。
もはや似てるってカテゴリーじゃない。阿佐ケ谷が下北半島の恐山に転移したようなイタコの口寄せ状態よ。多江が「美穂さん」と呼びかけるトーンが、まさしく江里子。
かたや玉恵の口元のモゴッとした質感は、美穂そのもの。その憑依(ひょうい)っぷりに、とりあえず手を合わせて「南無阿弥陀仏」と唱えたくなる。
芸人として成功する夢を描きながら、阿佐ケ谷の6畳一間に暮らす2人。
ふだんから、妹・美穂さんのやべーヤツっぷり(牛乳パックででっかいゼリーを作製して、それがプルプル震えるさまをながめるのが趣味)は漏れ伝わっていたが、このドラマを見て改めて思い知るお姉さんのヤバさ。