屋外喫煙所でタバコを吸う男性(写真はイメージです)
屋外喫煙所でタバコを吸う男性(写真はイメージです)
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 2020年4月、改正健康増進法が全面施行されオフィスや飲食店、公共交通機関などは原則として屋内禁煙となった。さらに、新型コロナ感染防止のため閉鎖される喫煙所も増え、街中やオフィスで喫煙できる場所は減りつつある。

【写真】かつて、たばこを1日100本以上吸っていたのはこの人

 喫煙者に対する風当たりが年々強さを増すなか、しばしば話題となるのが「タバコ休憩」だ。非喫煙者が「タバコ休憩は通常の休憩よりも長く不公平」と不満を口にすれば、喫煙者は「気持ちの切り替えができて仕事の生産性向上につながる」と反論する。はたして、「タバコ休憩」はアリかナシか。効率的な休憩の取り方をビジネス理論に詳しい専門家に話を聞いた。

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「ここ数年で、喫煙できる場所は間違いなく減っています」

 そう話すのは、都内在住の男性会社員(47)だ。この男性の会社には、かつて屋内を含め10か所以上、喫煙所があったが、いまでは屋外の2、3カ所に減少したという。

この男性の会社だけでなく、国内企業で禁煙を促す取り組みは広がりつつある。国内証券最大手の野村ホールディングスは、今年10月から在宅勤務を含めた就業期間中の全面禁煙を導入し、賛否を呼んだ。

 そもそも、生産性を高めるためには、いったいどのような休憩が最適なのか。スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長で、『スタンフォード式生き抜く力』(ダイヤモンド社)などの著書がある星友啓さんはこう語る。

「まず1つ目は運動です。運動と言っても激しいランニングなどではなく、階段の上り下りや、少し会社の周りを歩くらいで構いません。そして、2つ目は自然を見ること。元々人間は自然の中で生きてきて、現代社会のような建物に囲まれて生きてきた時間の方が短いので、自然を見るとリラックスできるようになっているんです。観葉植物など簡易的なものでも、あるのとないのでは全く違うことが分かっています」

 さらに、他の人と雑談をするというのも、良い休憩の方法だという。

「気楽に雑談することで、パフォーマンスの向上や安心感につながるということも分かってきています。そういう方が周りにいれば、たまに雑談をするといいですね」(星さん)

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