今日の北陸地方は、朝から晴れて気温が上がり、富山湾魚津沖では、明瞭な蜃気楼が出現しました。出現規模はBランクで、2番目に大きいランクでした。写真は13時30分過ぎのもので、魚津市埋没林博物館からの新湊大橋の様子です。橋がZ型に大きく変形しています。魚津埋没林博物館HP(外部リンク)から、過去の出現記録やライブカメラの映像をご覧頂くことができます。
きょう(5日)は蜃気楼の出現条件が全て揃っていた
きょう(5日)の北陸地方は、日本の東の海上に中心を持つ高気圧に覆われました。このため、朝から晴れて日差しに恵まれたことに加え、南から暖かい空気が入り、気温が上昇しました。魚津市沿岸部の朝の最低気温は12.6度、最高気温は23.9度まで上がり、朝と日中の気温差が10度以上と大きくなりました。また、富山では最高気温が26.0度と、6月上旬並みの陽気となりました。加えて、等圧線の間隔が緩く、日中は北~北北東の風となりました。魚津市沿岸部で北から北北東の風が吹くと、黒部川扇状地を通る比較的暖かい風が沿岸や海上を通る比較的冷たい空気の上に乗り、空気の温度差が生じて蜃気楼が出現しやすくなると考えられています。
蜃気楼とは、大気中の温度差(=密度差)によって光が屈折を起こし、遠方の風景などが伸びてバーコード状になったり反転して虚像が現れたりする現象のことで、上位蜃気楼と下位蜃気楼の2種類があります。
この時期の蜃気楼は上位蜃気楼で、実際の景色より上側に虚像が出現します。富山では、通常「蜃気楼」といえば上位蜃気楼をさし、「春型の蜃気楼」とも呼ばれます。
富山湾で出現しやすい条件は、
①晴れて気温が上がる ②朝と日中の気温差が大きい ③日中は北よりの微風となる ④移動性の高気圧が日本の東の海上に中心を移し、南から暖かい空気が流れ込みやすい状態である等が挙げられます。
本日は、これらの条件がすべてが揃ったため、変化の大きい蜃気楼が出現したと考えられます。
明日6日(金)も蜃気楼出現のチャンスあり! ゴールデンウィーク終盤の天気は?
6日(金)も、北陸地方は本州の東の海上に中心を持つ高気圧に覆われるでしょう。魚津市の周辺は晴れて気温が上がりそうです。また、日中は今日5日と同様に、北寄りの微風が予想されます。このため、蜃気楼を観察するチャンスはありそうです。蜃気楼を観察される場合は、熱中症に十分に注意して下さい。また、紫外線も強まってきている時期になりますので、紫外線対策も忘れずに行いましょう。
7日(土)は、北日本を通過する寒冷前線の影響を受けて、天気は下り坂へ向かいそうです。夜には広い範囲で雨が降る予想で、車でない方で帰りの遅くなる方は雨具が必要です。
ゴールデンウィーク最終日の8日(日)は、雨は朝までに止む所が多く、日中は天気は回復傾向ですが、冷たい北寄りの風が吹き、前日より気温が大きく下がる所もありそうです。体調管理に注意して下さい。
更に連休明けの9日(月)は、上空にこの時期としては強い寒気が流れ込み、大気の状態が不安定です。あちらこちらでにわか雨や雷雨があり、北アルプスなどは吹雪になるおそれもあります。この日に登山を予定の方は計画変更を含めて慎重な行動を検討して下さい。