FBIの家宅捜索後、トランプ氏のSNSのフォロワーや書き込みが急増。FBIの事務所に銃を持った男性が押し入ろうとするなどの「反乱」も起きている
FBIの家宅捜索後、トランプ氏のSNSのフォロワーや書き込みが急増。FBIの事務所に銃を持った男性が押し入ろうとするなどの「反乱」も起きている
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 米国のトランプ前大統領の邸宅をFBIが「スパイ防止法」違反容疑などで捜索した。「第2のウォーターゲート事件」になるのではと、捜査の行方を全米が注目している。AERA 2022年9月5日号の記事を紹介する。

【写真】トランプ前大統領の自宅「マール・ア・ラーゴ」

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 米国の連邦捜査局(FBI)が8月8日、フロリダ州パームビーチにあるドナルド・トランプ前大統領の自宅「マール・ア・ラーゴ」を捜索した。米メディアさえ一社も現地にいない不意をついた捜査。しかも、トランプ氏を訴追しようという調査・捜査が全米で複数進んでいるという状況下で、だ。

 11日には、FBIを所管する司法省のトップ、メリック・ガーランド長官が異例の声明を発表。カメラのフラッシュの中で、今回の捜索について「自分が承認した」と明らかにした。

 同長官が裁判所に対し公開を申し立てた捜査令状と押収品リストの内容は、全米を震撼(しんかん)させた。令状の容疑は、国家安全保障に関する機密情報を無許可で保持することなどを禁じた「スパイ防止法」違反を含む3件。トランプ氏が違法行為と知りながら、押収された文書などを自宅に隠して自由に閲覧し、持ち運んでいたのであれば立派な国家への反逆となる。外部の人物の手に渡る可能性もあった。

 押収品リストは機密文書を含め33点に上り、20箱以上となる。11点の機密文書のうち、5点は「最高機密」、ほかは「機密」などと記載されていた。その中には、トランプ氏が大統領在任中、SNSで批判を繰り返していたフランスのエマニュエル・マクロン大統領に関する情報も含まれるという。米紙ワシントン・ポストは、FBIは核兵器に関する文書がないか捜索したとまで報じた。

「自分が解除」と主張

 トランプ氏は即座に「自分が文書の機密解除をした」と主張。また、トランプ氏の弁護団は22日、FBIが押収した文書について、中立な立場から確認する人物が任命されるまで、文書の捜査を差し止めるようフロリダ州の連邦地裁に申し立てた。「政治が司法権に影響を与えることは許されない」(弁護団)というのが理由だ。

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