2022年の幕がいよいよ明けた。アニメ『ONE PIECE』ルフィ役を務める声優の田中真弓さん(66)は、22年間“船長”として作品をもり立て、今も航海の真っただ中だ。今回、インタビューを行った東京都内のアフレコスタジオ内は、ちょうど『ONE PIECE』の収録後で、仲間同士で会話に興じ、和気あいあいとした雰囲気。現実世界の麦わら海賊団は、どのように絆を深めていったのか。22年間で得た仲間について、田中さんに語ってもらった。
【写真】「少年役はルフィで最後にする」と語る田中さんの真意とは?
――麦わらの一味同士、長い歳月の中でどのような関係になっていきましたか?
本当に親戚みたいです。当初は独身だった仲間たちも結婚して子どもができて、家族ぐるみで会うたびに「あの子がまた大きくなった」といったように、本当に家族が育っていくような心境です。今はコロナで難しくなってしまいましたが、原作者の尾田っち(尾田栄一郎さん)も私もパーティー好きなので、何かにつけてすぐ集まろうっていうタイプで、コロナ前はしょっちゅう集まっていました。正月に集まって、花見でも会ったのに、たこ焼きパーティーがやったりしましたね(笑)。
――原作者を含めて仲が良いのですね。
様々なアニメの声優をやってきましたが、こんなに頻繁に原作者と交流したのは初めてのことでした。尾田っちは初めての作品がこれだけヒットしたので、原作者は声優さんやスタッフたちと会ってお酒を飲んだりしゃべったりするのが当たり前だと思っていたそうです。自分がやってきたことが普通だと思っていたら、どうやらそうでもないらしいって。でもそのおかげで、ここまで仲が深まったのだと思います。
――収録後の「宴」は頻繁に開かれていましたか。
コロナ前は、本当にしょっちゅうでした。以前収録していたスタジオは、近くに蕎麦屋があったんです。収録のたびに皆でそこに集まっていました。私が次回予告などを録り終えて少し遅れて店に行くと、宴の真っ最中だったり(笑)。ある時は、午後2時ぐらいに蕎麦屋に行って、夕方に仕事で抜けた人がまた夜に戻って来るぐらい、延々と蕎麦屋にいたことがあります。昼と夜で2食たべちゃった(笑)。
――「麦わらの一味」の初期メンバーとは、共演して20年以上が経ちます。今でこそ打ち解けた関係性ですが、初期の頃は、まだよそよそしい感じはありましたか。