6歳の娘を持つ30代の母親は、幼稚園行事の大役にいつも同じ子が選ばれることに不満を募らせています。わが子にも大役を回してほしいと訴えるのはやりすぎでしょうか。「論語パパ」こと中国文献学者の山口謠司先生が、「論語」から格言を選んで現代の親の悩みに答える本連載。今回の母親へのアドバイスはいかに。
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【論語パパが選んだ言葉は?】
・「子夏、問うて曰(い)わく、巧笑(こうしょう)倩(せん)たり、美目(びもく)はん(目偏に分)たり、素以(そも)って絢(あや)を為すとは、何(な)んの謂(い)いぞや。子曰わく、絵の事は素(しろ)きを後(のち)にす。曰わく、礼は後か。子曰わく、予(わ)れを起こす者は商なり。始めて与(とも)に詩を言うべきのみ」(八いつ第三)
・「子夏曰わく、小道と雖(いえど)も、必ず観(み)る可(べ)き者有らん。遠きを致すには恐らくは泥(なず)まん。是(ここ)を以(も)って君子は為さざるなり」(子張第十九)
【現代語訳】
・子夏がたずねた。「詩経に『にっこり笑うと口もとが愛らしく、目はぱっちりとしていかにも美しい。その上に、白粉の化粧をして、さてもあでやか』とありますが、これはどういう意味ですか?」
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山口謠司(やまぐち・ようじ)/中国文献学者。平成国際大学新学部設置準備室学術顧問。大東文化大学名誉教授。1963年、長崎県生まれ。同大学大学院、英ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。NHK番組「チコちゃんに叱られる!」やラジオ番組での簡潔かつユーモラスな解説が人気を集める。2017年、著書『日本語を作った男 上田万年とその時代』で第29回和辻哲郎文化賞受賞。著書や監修に『眠れなくなるほど面白い 図解論語』(日本文芸社)など多数。2021年12月に監修を務めた『チコちゃんと学ぶ チコっと論語』(河出書房新社)が発売。ラジオパーソナリティ、イラストレーター、書家としても活動。フランス人の妻と、大学生の息子の3人家族。