AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:今春から大学に通う18歳です。言葉を選ばずに言うと、親という存在が邪魔に思えてしまい悩んでいます。小さい頃から自立心が強いのですが、両親の前では「自分が自立すると悲しませる」と、大人になることに消極的になってしまいます。今では自立したい気持ちが膨れ上がって、現実とのギャップに苦しくなってきました。(女性/高校生/18歳/うお座)
A:いただいたご相談を読んで、思い出したことがあります。
僕は昔、飲食店でバイトしていたんですが、2時に閉店して、家に帰るのが深夜3時ぐらいになるんですね。母親は先に寝るんですが、冬場は帰ったときに寒くないように、いつもストーブをつけてくれていて。本当に最低な話ですが、それが邪魔でしょうがなく感じたこともありました。
心配されていることへの悔しさもあったり、親のちょっとした優しさがなぜか鬱陶しく感じる年代ってあるような気がします。
僕は専門家ではありませんが、思春期は人生の中で大事な時期だと思っています。思春期って、自分の中の聖域がなくなることなんじゃないでしょうか。例えば「親を大事にしなければいけない」とか、「こう思ってはいけない」みたいな、周りの人が作ってくれた聖域を一度ぶっ壊して、自分がこれから先、生きていく上で必要な新しい聖域をカスタマイズする。そういう時期が思春期だと思うんですね。親や周りの大人から与えられた聖域をぶっ壊して自らの手で組み立て直す。これは美しい・美しくないっていう判断が強烈にできあがる時だから、音楽とか映画とかすごく好きな「推し」ができる時期でもあると思います。
思春期を迎える人たちは好きで誰かを攻撃しているわけではありません。大人になるための一つの試練だし、本人も苦しみながら距離を取ったり誰かを攻撃したりしているはず。それは自分の醜さを見る意味でも大事な時期です。