・井上陽水&Jane Birkin「NO MUSIC, NO LIFE.」(2004年2月)

ジェーン・バーキンのデュエットアルバムに井上陽水が参加。「二人の間に世界観というか、アーティスト同士の信頼感があったので、その流れで自然に。お寿司屋さんで撮影をしたあと、近くの公園かどこかで。バーキンさんは気さくな方で、あっけらかんとゲラゲラと笑っていたし、お二人ともノリのよい楽しい印象でした」

・細野晴臣「NO MUSIC, NO LIFE.」(2011年3月-5月)

東日本大震災の1カ月前に撮影されたこの写真に細野が添えた文章には「社会的な意味で、人類にとって未知の領域に突入した時代。津波の前の引き潮のようなかんじ」という言葉が。宮城で生まれ育った平間には特に「強い印象として残っています」。「いま見ると、光のあたっている部分と闇の部分が拮抗しているかのような」一枚

・忌野清志郎「NO MUSIC, NO LIFE.」(2008年6月-7月)

武道館での復活ライブの直前に撮影。「すごくピュアな方。きれいすぎてこわれちゃいそうな印象で、撮影のための指示など僕からはできないと感じました。突然この動きを見せてくれた一瞬を、6×7の中判フィルムで2、3枚だけ収めたもので、スタンドにコードが絡まっているのは本当に急で直したりする時間もなかった」からだそう

・松本隆「NO MUSIC, NO LIFE.」(2021年7月-8月)

活動50周年の折に、京都で撮影。「予定していたカットではなく、寝てもらったらいいんじゃないか、とその場でお願いしました」。松本がSNSで「縁側に寝ろと言われて、ほとんど遺体に」と書いたほど「気に入ってくださって(笑)」。ポスターのコピー「ねぇ、ぼくは時代も世代も超えて『君』の心をさらう風になれた気がする」は「自分の人生を振り返ってくださったのかなと」

・横山剣(クレイジーケンバンド)&宮史郎(ぴんから兄弟)「NO MUSIC, NO LIFE.」(2002年7月)

ミュージシャンに一緒に撮りたい相手をリクエストしてもらうシリーズの一枚。横山剣が宮史郎とぜひ撮りたいと実現した。横浜での撮影で、「宮さんが病気を告知された日だったんです。自然に二人で歌い始めた(ぴんからトリオの)『女のみち』が本当にすばらしかった。この日初めて会ったはずですが、男の友情を感じました」

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