「これはもう完全に川村さんのアイデアとイマジネーションのなせる業ですね。片づけコンサルタントとしては絶対言ったりしない言いにくいことを、第三者的に言ってくれるキャラクターがいると読者の方との繋がりが生まれますよね。ボクスくんがいてくれて良かったなって思います」
ちなみに多くの人がきっと近藤さんに重ねるであろうミコは、ご本人によれば全く別人格なのだとか。あえて言えば「昔の私だったらちょっと似ているかも」くらいだそうだ。
さて、劇中のように依頼人の家を気軽に訪問できなくなってしまったコロナ禍においてこの小説の連載は始まった。近藤さん自身の意識にも変化はあったという。
「オンラインでの仕事が多くなって家にいる時間が圧倒的に多くなり、やっぱり片づけは大事だということがより鮮明になりました。だって家にいる時間が長いのに家が散らかってたり心地が良くないというのはダメージが大きすぎますよね。片づけについては伝え続けることがとても大切なんだなっていう思いがより強化されました」
その一生懸命さ、やっぱりとてもミコっぽいと思う。(ライター・濱野奈美子)
※AERA 2022年5月16日号