深川(麻衣/高尾由真役で今シーズンから出演)さんに対する態度も、台本ではわりと先輩先輩してたんですよ。『高尾、行くぞ』って書いてあって、そんな言い方しねーよと(笑)。だから、いままでの浅輪直樹のキャラそのままに『高尾さん、これ、どうしたらいいと思う?』って。上司と部下の新しい関係性も見せていきたいし、僕に似合わないことはやりたくない、やらない、っていうね。

 役でも何でも、上下関係が強いと、現場でなかなか提案しにくいこともあると思うんだけど、普段の僕とあんまり変わんない感じでやっていると、若い子たちからの提案や意見も自然に出てくるんです。若い人たちは鋭いから、おもしろいよね。

 スタッフも今回、20代前半が多くなって。『あ? なんすか?』みたいな感じなんだけど(笑)、『井ノ原さん、めっちゃよかったですね!』とか言ってくれるから、ほんと、うれしいの。自分が本当に自分らしくいられる。もしかしたら僕は、若い人たちとやってるほうが合ってるなーとか思っちゃう」

■最終回はキャストと脚本家とみんなで考えて…?

 だから今、現場はとてもいい空気だと、自然に笑顔になった井ノ原。もちろん、これまでもキャストやスタッフの関係性がよかったからこそ、シリーズが長く続いているのだろう。

「そうそう。ずっとメンバーと一斉メールやってるし。僕、津田(寛治/村瀬健吾役)さんと、肉食の動物とか都市伝説とか、好きな動画の系統が同じだから、そういうのやりとりしてるし、吹越さんとは芝居の話をしたり、リモート飲みをしたりするし。最近も羽田(美智子/小宮山志保役)さんから、第3回の放送で出てきた、数年前の田口(浩正/矢沢英明役)さんの顔がかわいいって送られてきたり(笑)。あと、宮近(海斗/昨シーズンまで佐久間朗役で出演)ともまだ続いてて、みんな『チャカ(宮近さん/米国留学中)、頑張れー』とか言ってくれてる。僕が主演するドラマでそういう関係がずーっと続いているのがすごくうれしくて。

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