クロちゃん/1976年12月10日生まれ。広島県出身。2001年4月に団長安田、HIROと「安田大サーカス」を結成。スキンヘッド、強面には似合わないソプラノボイスが特徴(撮影/小黒冴夏)
クロちゃん/1976年12月10日生まれ。広島県出身。2001年4月に団長安田、HIROと「安田大サーカス」を結成。スキンヘッド、強面には似合わないソプラノボイスが特徴(撮影/小黒冴夏)

 そもそも、ボクがギャンブルにハマったのは、親父の影響がすごく強い。浪人時代に、よくパチンコに一緒に連れていってもらったんだけど、とにかく、親父は、いつも勝っている人だった。ドル箱をつねに何段も重ねていて、周りの大人が「すごいね」ってわざわざ声をかけてくるくらいだったからね。「当たる台が俺には分かるんだ」って親父はよく漏らしていたのを覚えている。当時のボクには、その背中がすごくかっこよく見えたんだよね。真剣勝負に負けない男っていいなって。「あんな男になりたい」って強く思ったのが、ボクがギャンブルにハマった大きな理由の一つ。今でも、ギャンブルをしている親父は、ボクの憧れの存在だからね。

 じゃあ、そんな親父に比べて、ボクのギャンブルの実力はどうなのか。

 あまり振り返りたくはないけど、ボクはエグいくらい負けている。

 正直な話、ここ何年もの間、年間200~300万はずっと負け続けている。お金があまりなかった20代の頃だって、最低でも年間100万くらいは負けていたんじゃないかな。たぶん、負けた総額は5000万以上になるはず。考えただけでもおそろしいよね……。

 あまりにも勝てない日々が続いて、精神的にちょっとおかしくなっていた時期もあった。パチンコを打っていて、ふと「ボクという存在が台にバレているから勝てないんだ」っていう変な妄想を抱いてしまって、ハンドルを握るほうの手をトイレの水でキンキンに冷やしたり、爪にマニキュアを塗ったりして打っていたことがある。意味不明だけど、とにかく「今日この台を打っているのはボクではない」っていうのを台に対して演出したかったんだ。「手の印象が変われば、台もだまされるはず」って考えたんだけど、もう、どうかしていたよね(笑)。

 そういえばリーチがくるたびに、手をあわせて拝んでいる時期もあった。周囲からめちゃくちゃ変な目でみられて恥ずかしかったなー。でも、その恥ずかしさよりも、もう勝てるならなんだってしてやるくらいの気持ちだった。もう一心不乱だったんだよね。

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