林:そうなんですか。フィギュアって、お金がハンパなくかかるんでしょう?
小芝:お金も時間もかかります。だから母がやりくりして、衣装も注文すると何十万とかかっちゃうので、新しい曲をもらうと、母がその曲でイメージしてデザインを考えて、生地を買いに行ってつくってくれたり、いろいろサポートしてくれました。
林:お母さまと二人三脚でやってらしたんですね。
小芝:そうですね。
林:朝早いうちにお母さまが送ってくれたんでしょう?
小芝:学校の前に朝練に行って、そのまま学校に送ってくれて、学校が終わったらそのままスケートの練習に行って、という感じでした。
林:氷の上で回転したりジャンプしたりって、私はちょっと信じられないですけど、バレエのアラベスク(片脚で立ち、もう一方の脚を後ろに伸ばしたポーズ)と同じ? あの形のまま氷の上を移動していくのが楽しいんですか。
小芝:私はワザができていくのが楽しくて。スピンにしてもジャンプにしても、それまで回転不足だったのがあとちょっとで跳べそうになったら、次の試合までにきれいに回ろうとか、毎回目標をつくって、それをどんどん達成していくのが楽しかったですね。
林:でも、フィギュアスケートって危険も伴うでしょう。
小芝:ケガだらけでした。手術も2回しましたし。
林:あんな鋭い刃がついた靴をはいてクルクル回るんですもんね。
小芝:接触してスケートの刃で切っちゃって、縫ってる子もけっこういますし、私も一度顔から落ちて、目がすごく腫れて青アザになったこともあります。
林:下が氷ですものね。オリンピックを目指してたんですか?
小芝:当時はそうでした。でも、5年間習って、オリンピックを狙ってる人と自分の実力との差がどんどんわかってきて、途中から、将来的にはインストラクターになりたいって思ってました。
林:大会ではどこまでいったんですか。
小芝:確か全関西という大会で7位入賞したのが最高成績だったかなって思います。