──最新主演ドラマ「ボーイフレンド(原題)」が、3月から日本でも放送されています。ボゴムさんが演じたジニョクは明るくて優しくて、年上の彼女であるスヒョンに一途な愛を貫く「理想のボーイフレンド」でした。

 ジニョクは、自分を愛することができる青年です。自分を大切にできなければ、他人を愛することはできませんし、自分らしく生きることもできません。今回、ジニョクを演じることで、「自分を愛する」ことの大切さを再確認することができました。

パク・ボゴム (撮影/馬場道浩、アートディレクション/福島源之助+FROG KING STUDIO)
パク・ボゴム (撮影/馬場道浩、アートディレクション/福島源之助+FROG KING STUDIO)

──スヒョンは政治家の娘でホテルの代表という立場と環境のせいで、自分を抑えて生きてきた人物です。そんな生活を息苦しく感じているなかで、ジニョクと出会い、影響を受け、自分らしい生き方を模索し始めます。

 劇中、こんなセリフがあります。ジニョクがスヒョンに「あなたにとって意味のある人になりたい」と告白するんです。互いに影響を与えあい、足りない部分を補いあう。そんな“意味のある”関係がステキだと思いました。また、二人の恋愛模様を見守るなかで、手放しで自分を応援し、自分の幸せのために祈ってくれる人が一人でもいるということは、とても幸せで、ものすごい力になるものだとも思いましたね。

──ボゴムさんにとって、理想の恋人像とは?

 なんでも話しあえて、理解しあえて、共感しあえる。そういう気楽な関係性を築ける友達のような人がいいですね。

──“愛されキャラ”のジニョクの姿は、まさしくボゴムさんそのもの、と感じました。人に愛されるためには、どうしたらいいと思いますか?

 自分が愛されたければ、まず自分から相手を愛することです。相手を愛し、尊重する。その心が見えれば、相手も心を開いてくれるのではないでしょうか。自分よりも年を取っているとか若いとか、経験が多いとか少ないとかにかかわらず、どんな相手に対しても礼儀をわきまえ、尊重し、心遣いを見せることが大切だと思います。

■演技に対して欲深くなった

──デビュー以来、「恋のスケッチ~応答せよ1988~」「雲が描いた月明り」など、多くのヒット作に出演してきましたが、デビュー当時と今とでは、俳優としての心持ちは変わりましたか?

 そうですね。作品に対する気持ち、仕事に対する情熱は全く変わりません。でも、うまく演じたい、うまく表現したいという気持ちは、昔より強くなっている気がします。演技に対して、欲深くなったというか。また、デビューしたての頃は自分に与えられたキャラクターに集中していたとすれば、今は経験が増えてきて、作品全体を見て演じようとするようになりました。たとえるなら、昔は一本の木に集中して動いていたのが、今は森全体を見てそのなかで自分のすべきことを見つけようとするようになったという感じでしょうか。まだまだ難しいですけどね。やればやるほど、難しいと感じるのが演技ですから。

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