──やはり、主演は特別?
主演にこだわっているわけではないんです。バンドでボーカルをやるのか、ギターをやるのかという、担当の違いのようなものだと思っています。ただ、どの作品においても、主演の方にはプレッシャーがあると思うので、少しでも気が楽になるように、「みんなで作っているんだよ」ということを感じられるようにしたいなとは思っています。お芝居でというだけでなく、現場での“あり方”ですね。自分が主演で培ったことを、支える側でも発揮できたら、うれしいですね。
──ベテランの役者さんでも舞台の上では緊張するといいますが、鈴木さんは?
周りからは「冷静だね」って言われますが、内心はやっぱり緊張してますね。ただ、緊張感がなさすぎるのもまずいので、それでいいのかなと思っています。公演を重ねるうちに、お客さんと共有している時間を楽しく感じ、空気感、波長がピタリと合うことがあるんです。そういう日はカーテンコールの拍手にも如実に表れるので、気持ちいいですね。
──ご自身の性格は、どう分析していますか。
一番最初に浮かぶのは、「不器用」ですね。周りからは「器用」「冷静」って言われることもありますが、自己分析では逆です。不器用で、テンパりグセがある。テンパりグセは直したほうがいいとは思うんですが、不器用であるということは武器にもなると思っています。人から言われなくても「こういうところは直さなくちゃダメだな」と、自分にダメ出しができますし、できないときにも焦らず、一つひとつ地道に、人の2倍、3倍時間がかかったとしても、少しずつ改善しようと進んでいけます。
■夜走り、気がすむと帰る
──周囲から怒られたり、指摘を受けたりすることが少なくなると、自分で気づくことがより重要になるのでしょうか。
年齢が上がってくると、そうなりますね。だから自分で気づいて改善するというのは大事です。
──最近は「映画刀剣乱舞」への出演、テレビアニメ「どろろ」の声優など、舞台以外にも活躍の幅を広げています。
自分で意図していたわけではなくて、与えていただいたチャンスといいますか。ここ最近、いろんなことに挑戦させていただいたこともあって、より舞台の稽古が楽しいですね。初心に戻るような感覚もあって。やっぱり、「ホームは舞台」という思いがあるんだと思います。