
■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
身近に大事件が起きるわけでもなく、生まれてくる愛も別れも少々ゆるめ。あまりうるさく言わずににじみでる生活感の中で男女4人の姿を語る描き方がとてもイタリア的に思えて、これも人生、悪くないとしみじみ思う。
■大場正明(映画評論家)
評価:★★★
政治の季節が過ぎ去ったあとに多感な時期を迎え、迷走してきた世代の心情を多面的に掘り下げる群像劇。貧富の格差など、理想と現実のギャップに翻弄され、道を踏み外す男女の喜怒哀楽が、生き生きと描き出されている。
■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★★
なんて面白い展開! 注目する人物を変えながらも彼らの縁を、時には残酷に、時には美しく描く。心と身体が別行動するときあります。人間らしくて憎めない。美化するつもりもない。それでも人生は続くし愛が深まるのよ。
■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★★
ある程度の人生経験のある者なら思い当たる節のある内容で、描き方が巧い。誰もが懸命に生きているからこそ、ある時期は密に過ごしていても、離れていた時期の全く知らない面がある。イタリア映画らしい友情と人生賛歌。
(構成/長沢明[+code])
※週刊朝日 2023年1月6-13日合併号