外の寒さを吹き飛ばそうとばかりに政府が力を入れてスタートするプレミアムフライデー。
この取り組みは、政府と経団連の働きかけにより、毎月最終金曜日は15時に仕事を終え、消費活動を活発にしようというねらいがあります。
「本当に15時に帰れるの?」「ウチの会社はそんなことひと言も言っていないけど……」など様々な声が聞こえてきそうな施策ではありますが、本当に実現するならば日本の働き方改革にもつながる第一歩でしょう。
今後、各企業の動向に注目が集まるプレミアムフライデーに迫ります。
プレミアムフライデーってどんな施策?
政府と経団連が中心となり、策定したプレミアムフライデー。強制ではなく、実施するかどうかは企業の判断に委ねられています。
毎月最終金曜日が対象となっていて、給与が振り込まれたばかりの会社も多いことから、個人の消費を高め、普段よりも豊かな生活をしてほしいという思いが込められた施策です。
ちなみにアメリカでは「ブラックフライデー」と呼ばれる、年に一度の大セールがありますが、年一回ということもあり売り上げに大きく影響するようです。
日本のプレミアムフライデーは、15時に仕事を終えて外食したり買い物をしたり……を推奨しているということもあって、飲食店や小売業は、反対に休むことは難しくなります。
プレミアムフライデーといっても、社員を休ませることに使う企業もあれば、これを商機ととらえる企業もあり、業種により様々です。
プレミアムフライデーは善か? 悪か?
業種、社員の雇用形態などによってもこのプレミアムフライデーが企業にとって使い勝手のよいものとなるか、苦しいものとなるかは異なります。
例えば、考えられるよい点は……
・長時間労働が減り、働き方改革につながる
・病院などの施設に平日にも行きやすくなる
・土日を絡めて旅行に行きやすくなる
・参加企業が様々なサービスを積極的に売り出す
最近、ニュースで頻繁に取り上げられているのが、「長時間労働」です。
根深い問題ではありますが、無理矢理にでも帰らせる……といった強引な手法でも使わなければ、なかなか改善しにくいところもあるのでしょう。
また、土日を含め3連休が増えることで、田舎に少しだけ帰りたいというときでも、土日休みの人ならばスケジュールもゆったり組みやすくなります。
では、現時点で考えられる問題点は……
・他の日に仕事のしわ寄せが来るかもしれない
・サービス業や病院など適用しにくい業種がある
・給与が増えない限り、消費は増えないという可能性
・中小企業では無理
プレミアムフライデーを積極的に推奨するような大企業や官公庁でないと、そもそもこの制度を使いこなすのは無理ではないかという意見もあります。
プレミアムフライデーに取り組む企業
2月24日から始まるプレミアムフライデーに向けて、官民が連携してその広報活動に力を入れています。
プレミアムフライデー推進協議会事務局という組織が立ち上がり、ホームページも開設。そちらには、プレミアムフライデー導入企業一覧が掲載されていますが、その多くはホテルや旅行会社などサービスを提供する立場での導入です。
一方で、15時退社を実施すると宣言した企業は、日本テクノ、ソフトバンク、サニーサイドアップ……など。
さらに、サニーサイドアップは「プレミアムフライデー支援金」を従業員に支給するというから驚きです。
非正規雇用社員を含む全従業員に対し、一人当たり3200円が支給されるとのこと。
しかも、非正規雇用社員は15時に退社しても、フルタイムで働いたのと同賃金が支払われるとのことで、時間給の従業員に対しての配慮も含まれています。
―― 国際的に見ても、労働時間が長いといわれる日本。
プレミアムフライデーが新しい働き方の目玉となるか、各企業の動向に注目です。