
ももクロのリーダー・百田夏菜子さんがホストとなり、月替わりのゲストとトークを繰り広げるAERAの対談連載「この道をゆけば」。今号は、津田健次郎さんとの3回目です。近年、活躍の場を広げ続けている津田さんが今、情熱を惜しみなく注いでいること。それは、かつて自らが封印した「夢」の続きでした。AERA2025年8月25日号より。
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百田:津田さんはここ数年、活躍の場をどんどん広げていらっしゃいますよね。「anan」の表紙を飾ったり、ベストドレッサー賞を受賞されたり。すごいなぁって見てました。
津田:ありがたいことです。
百田:これだけ引っ張りだこだと、よほど意識してスケジュール管理しないと自分の時間なんて持てないんじゃないですか?
津田:まぁそうなんですが、実は今、密かに進めていることがあって。自分で勝手に映画を作っているんです。
百田:ええーっ!? どういうことですか。
津田:誰に頼まれたわけでもないけど、やっぱり映画を作りたくて。僕がこの世界に入ろうと思った元々の理由は「映画を撮りたいから」でした。それが期せずして声優や俳優として求めていただけるようになったので、その気持ちを一旦封印していたんです。とにかく今は演じることに専念しよう、と。
百田:自分の心に少し蓋もしながら、お芝居と全力で向き合ってこられたんですね。
津田:そう。そして、一つひとつの役を夢中で演じているうちに気がつけば40歳になり、そのタイミングでもう一度自問したんです。「人生の半分を超えた。本当にこのままでいいのか?」って。
百田:そこで津田さんが出した答えはノーだった。
津田:うん。やりたいことを全部やらないと、いつか絶対に後悔すると思って。「声優も俳優もきっちりやる、でも映画も撮る」というモードになったのはそこからです。コロナ禍にWOWOWの「アクターズ・ショート・フィルム」という企画で短編映画を一本撮らせてもらったんですけど、今作っている長編ではその時の反省をしっかり生かしたいと思っています。
百田:津田さんがどんな映画を撮られるのか、すごく楽しみです! 現時点で完成度はどれくらいなんですか?
津田:お話自体はある程度でき上がっていて。
百田:そうか、脚本も書かれているんですね。
津田:はい。もう10年ぐらい書いたり消したりしているので、そろそろ手を離さないといけないなと思っているところです。あまり大事にしすぎるのも良くないし、他にあと2作品同時に進めているので。
百田:すごい熱量……! そもそも津田さんはどうして映画に興味を持つようになったんですか?