数学、歴史、英語……大人になって勉強に再挑戦したいという人は多い。リクルート「スタディサプリ」で社会科講師を務める伊藤賀一さんは、43歳で早稲田大を受験し再入学。鈴木貫太郎さんは51歳の時にYouTubeで数学の解説動画を投稿し始めた。
専門科目は違えど「大人になって学びなおしを志した」点で一致する2人が、新刊の発売をきっかけに初対談。忙しい日々のなかで、どうやって学びのモチベーションを保てばいいのか? 朝日新聞出版YouTube:【社会科講師vs数学YouTuber】どう保つ?大人の「学び直し」のモチベーション【伊藤賀一×鈴木貫太郎】より一部抜粋してお届けします。
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43歳で2回目の大学入学
伊藤賀一(以下、伊藤):学び直しのメリットは、すごろくに例えるなら「次のマスに行って何かを学ぶとその次のマスが見えてくる」ということですね。
18歳の時に最初に入った大学では、文学部の歴史学科だったんです。ド文系ですよね。43歳で2回目に入学した大学では、教育学部でした。教育学は文系と理系のハイブリッドですよね。学んでいるうちに、今度は理系に興味をもつようになって、次は理系に行きたいなと思うようになりました。
実は一回、理系の大学を受験して落ちたんですが、これは私が文系から1マス横の「文理のハイブリッド」に行ったから、理系に行くという選択肢が見えたということなんですよね。それが一番大きなメリットでした。
それからもう一つの効能として、新しいことを学ぶことで出会った人がすごく多いんです。

大学の教授もそうだし、同級生も先輩も後輩もそう。学び直しをやっていたからこそ、こうやって本(『もっと学びたい!と大人になって思ったら』)の執筆の依頼も来た。
それに、(鈴木さんと自分も)お互いに新書を出したという状態があるから、今日初めてお会いすることになったわけで。これも、学んでいたからこその出会いですよね。それが学び直しのメリットと効能だと思います。
