計算力は算数の土台となる基本的スキル。しかし手順やルールを間違えたり、覚えたことを忘れてしまったり。苦手意識が出ないようにするために、つまずきやすいポイントを整理しておきましょう。算数教育家であり、中学受験カウンセラーの安浪京子先生に聞きました。子育て情報誌「AERA with Kids2025年夏号」(朝日新聞出版)からお届けします。
【図】高学年でもミスしがち! 小1で習う単元とは?ミスの意味をつかんで 計算の筋力を鍛える
子どもの答案を見ていると「惜しい」「あと少しで正解」に見える計算ミスがよく見られます。しかし算数教育家の安浪京子さんは「よく『うちの子、ケアレスミスばかりで……』と言う親御さんがいますが、単にケアレスミスと片付けるのはとても危険です」と語気を強めます。
「例えば、計算の順番を間違えたり、筆算で数字を書く位置を間違えたりしたときに一見『うっかり』に見えます。でも実は計算の意味がわかっていなかったり、筆算のルールを忘れてしまっていたりとミスのうしろ側に細かな理由があります。その理由に合わせて丁寧に対処していかないと、計算ミスはなくならないのです」
気をつければ次はミスをしなくなるのでは、と思うかもしれませんが、そこが算数の難しいところ。ミスを積み重ねてしまうと、別の単元で計算スキルが原因で余計に解けなくなったり時間がかかったりしてしまいます。
次のページへ計算だけはいつでも確実に
著者 開く閉じる