
ーー共学ではない女子大の存在意義はどんなところにあるとお考えですか?
佐々木 男子がいないからこそ特定の役割に縛られず、さまざまな経験ができる点に大きな魅力があります。ただ、一方で社会に出たときに男女の役割意識に戸惑うこともあるでしょう。そのため、東京大学など他大学と協定を結び、より広い経験を積める機会も増やしています。長く根付いた性別役割の文化を変え、女子大として社会に挑戦する人材を育てることが重要だと考えています。
ーーご自身が学長に就任してから行ってきたことについてどう振り返りますか?
佐々木 自校だけに閉じこもらず、他大学との連携や交流を積極的に進めてきました。国立大学協会の副会長になったことで、これまで男性中心だった場に出る機会も増えました。戸惑いもありましたが、徐々に経験を積み、他大学から新たな取り組みを学び、自校に生かすことができています。女子大出身で、女性教員が男性と対等に活躍できる環境にいたことは、自分にとって大きな財産となっています。大変なこともありますが、これまでの積み重ねを通じて、大学に還元できることもあると感じています。
(聞き手・構成/ライター 濱野奈美子)
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