子どもが不登校になると、周囲や学校などで「不登校はダメなこと」といった発言をする人もいます。「不登校」をどうとらえらたらいいのでしょうか。不登校ジャーナリスト石井しこうさんが、文科省の学習指導要領を意訳して6つのポイントにまとめました。著書「学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること」(大和書房)から紹介します。

学校へ行かなければ「義務教育違反」 不登校なんて絶対ダメでしょ

「不登校なんて許されない行為」「不登校は義務教育違反だ」と言う意見はまちがいです。ネットやテレビに出ている大人がそう言っていたとしても、誤った発言だと私は思います。また学
校の先生のなかには「文科省が不登校を許していない」とか「学校に来なくていいとは、学校の先生は言えない決まり」と言う人もいます。これも誤った認識です。文科省は不登校という選択肢や休息の必要性を認めています。不登校が禁じられているような発言は、先生個人の勝手な意見にすぎません。10代のころは信じられないかもしれませんが、大人(先生)もまちがえます。しかもまちがったことを教えてしまうことがあります。ご注意ください。

 では、文科省は不登校をどう考えているのか、学習指導要領を意訳するとポイントが6点あります。

 文科省は「個々の状況に応じた必要な支援」を強く訴えています。

 学校とは、学ぶための「手段」にすぎません。学校が合わなければ、ほかの手段があってよいはずです。しかし現在は、1つしか手段が示されていません。その手段から外れると「おかし
い」と責められさえします。こんな状態はおかしい。将来はきっと変わっていきます。いろん
な場で学ぶことが当然になるはずです。

次のページへ差別がなくなる未来へ
著者 開く閉じる
石井しこう
石井しこう

1982 年東京生まれ。不登校ジャーナリスト。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校に。同年、フリースクールへ入会。19歳からはNPO 法人で、不登校の子どもや若者、親など400 名以上に取材を行なうほか、女優・樹木希林氏や社会学者・小熊英二氏など幅広いジャルの識者にも不登校をテーマに取材を重ねてきた。現在はNPO を退社し不登校ジャーナリストとして講演や取材、「不登校生動画甲子園」の開催などイベント運営などでも活動中。「Yahoo!ニュース 個人」月間MVA を二度受賞。著書に『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』(ポプラ社)、『フリースクールを考えたら最初に読む本』(主婦の友社)などがある。

1 2