12月に入りました。今年は天候不順が影響し、野菜の価格が高騰しています。お客様をもてなす機会や、ホームパーティで気のあった友人と鍋を囲む……というシーンが多くなる年末・年始に向け、価格が落ち着くといいですね。
冬においしい野菜といえば、大根、白菜、かぶ、ブロッコリー……などが思い浮かびますが、実はキャベツも冬が旬の野菜です。
ダイエット効果の高い食材として注目のキャベツ。その栄養価と食べ方をご紹介します。
冬キャベツと春キャベツの違い
一年中店頭に並ぶキャベツですが、本来は冬野菜です。
【冬キャベツ】主な産地:愛知県・千葉県
11〜3月に出回ります。“寒玉”とも呼ばれ、歯がしっかりと巻かれていてずっしり重いのが特徴です。
甘みがあり、ロールキャベツなど、煮込み料理に向いています。
【春キャベツ】主な産地:千葉県・神奈川県・九州地方
3〜5月に出回ります。冬キャベツとは品種が異なり、見た目も丸く、葉の巻がゆるいのが特徴です。
葉がやわらかく、生食に向いています。
【春秋キャベツ】主な産地:群馬県・長野県・北海道地方
夏から秋に出回ります。“高原キャベツ”と呼ばれ、冬キャベツと同品種。
高原の冷涼な気候を活かして栽培されます。
キャベツの栄養
生食でも炒めてもおいしいキャベツ。味は淡白ですが、栄養の宝庫です。主な栄養成分をみていきましょう。
◎ビタミンU
胃や十二指腸などに対する抗潰瘍作用があります。ビタミンUはキャベツから発見された栄養成分で、キャべジンとも呼ばれています。
◎ビタミンC
風邪予防や疲労回復効果や美肌効果が期待できます。また、キャベツの葉2〜3枚で1日に必要なビタミンを摂れるといわれています。
◎ビタミンK
血液凝固作用があるビタミンKは、歯や骨の形成や骨粗そ症予防に効果が期待できます。
◎ジアスターゼ
でんぷん分解酵素があるジアスターゼは、消化を助け、胃酸過多、胃もたれに効果が期待できます。
◎イソチオシアネート
にんにく、大根、ワサビに含まれるイソチオシアネート(硫黄化合物)は、殺菌作用、食欲増進効果や血小板凝集抑制作用の他、がん細胞の発生を防御する機能性栄養素として、最近では注目されています。
ダイエットに効果的な食べ方
①トンカツ×キャベツ
トンカツといえば、キャベツがセットになっていることが多いですね。これはなぜなのでしょう。
実は、お肉の脂っぽさで胸やけするのを抑える効果(食物繊維が油の吸収する効果)がキャベツにあるとされているから! この他にも、消化を促進する「ステーキ✕クレソン」や「ところてん✕酢醤油」、胃もたれを治し食欲増進効果がある「カレー✕らっきょう」、殺菌作用の「刺し身✕わさび」など、相乗効果を生む食べ合わせはたくさんあります。
②食前キャベツダイエット
キャベツダイエットやリンゴダイエットが一時期流行しましたが、毎食同じ食材ではやはり飽きてしまいますよね。
そこで、「昨晩は食べ過ぎてしまったかも……」と感じた翌日の朝食や夕食に「食前キャベツダイエット」を実践してみましょう。
方法はカンタン! 例えば、食前に茶碗一杯ほどの生キャベツを食べるだけ。食欲抑制効果が期待できますし、ダイエットに必要なビタミンも補給できるうえ、食物繊維も豊富なため便通を促進する効果も期待できます。
●方法
1)キャベツ200g(4分の1個程度)をざく切りにする。
2)食事の前に、ざく切りにした生のキャベツを約10分かけて食べる(よ〜く咀嚼しましょう)。
尚、せっかくの「食前キャベツダイエット」ですから、ドレッシングもノンオイルがおすすめです。
③乳酸キャベツ
最近話題の“乳酸キャベツ”。ザワークラフトといえば、ピンとくる方も多いかもしれませんね。
乳酸菌は腸内環境を整え、便通の改善や免疫力アップ、美肌効果が期待できます。
●材料
■キャベツ 1/4個 ■塩 小さじ1 ■砂糖 ひとつまみ
●作り方
1)キャベツを千切りにする。
2)保存袋に入れ塩をふる。
3)袋の上から両手でもむ。砂糖を加えてさらにもむ。
4)余分な空気を抜き、重しをする。
※常温で1〜2日経って、気泡が見えてくれば発酵している証拠です。
5)冷蔵庫で保存する。
※煮沸消毒したビンに入れて1ヵ月保存できます。
── “乳酸キャベツ”は、キャベツの本来の栄養成分と乳酸のW効果で健康と美容に大変すぐれた発酵保存食です。ぜひトライしてみてください。