
「コンビニ百里の道をゆく」は、ローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
【写真】アジア最終予選のバーレーン戦!先制ゴールを決めた鎌田大地に駆け寄る久保建英はこちら
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強くなったなぁ。2026年サッカーW杯・北中米3カ国大会への出場を早々に決めたサッカー日本代表を見て、つくづくそう感じました。
アジア最終予選での戦い、気づけば「勝敗にハラハラしながら手に汗握る」というよりも、タレント揃いの選手たちがお互いの競争にどう打ち勝ってW杯先発メンバーの座を得るのか、そこに興味を持ちながら見ていました。W杯の最終予選でそんな余裕のある観戦の仕方ができるなんて、これまでなかったことです。
1993年にJリーグができてからのこの30年余で、とんでもない進歩をとげたことに心から敬服しています。
さて、本大会でどこまでいけるか。そもそも日本代表チームが掲げる「目標」も変遷してきています。出場自体が目標だった時代からベスト16、ベスト8を経て、海外のチームで活躍する若い三笘薫選手や久保建英選手、遠藤航選手らを擁するいまのチームは「優勝」を公言するレベルにまで進化してきました。

1968年のメキシコ五輪で釜本邦茂、杉山隆一両選手を擁する日本が銅メダルを取った時代から脈々と受け継いできたバトンが、ようやく「世界の頂点」が見え隠れするところまで届いてきたのかなとも感じています。すごくワクワクする気持ちです。
ベテランの長友佑都選手にも注目しています。今大会でも選出されれば通算5度目の出場。他の選手や森保一監督も持っていない彼の「経験値」は、非常に大事になってくるのではないでしょうか。
若い選手が持つ感性や技術、そして全員がのびのびと自分の価値を発揮し、その価値がぶつかり合う中で新しいサッカーが生まれてきている森保監督のマネジメント。そこに長友選手の経験値が加われば、もしかしたら「とんでもないこと」が起きるかもしれない。ぜひ「頂点」をめざしてがんばってほしいと思います。
※AERA 2025年4月28日号