子ども向けイベントなどで引っ張りだこのお笑い芸人、小島よしおさん。現在は子どもたちのお悩み相談に答えたり、教育系YouTuberとしての一面も持ちます。「一発屋」と言われた時代から、現在の活躍まではどのような道のりがあったのでしょうか。子育て・教育情報誌「AERAwithKids 2024年冬号」(朝日新聞出版)で花まる学習会代表 高濱正伸先生がホストになって対談を行う連載「もっと花まるTALK」から紹介します。
【写真】小島よしおさんと息子さんのツーショットはこちら「運がいい」のは、柔軟に なんでもやってきた結果かも
高濱 「そんなの関係ねぇ!」が一世を風靡したのは、何年前でしたっけ。
小島 2007年です、17年前ですね。
高濱 そして今や、ユーチューブで勉強を教え、ネットで悩み相談にのり、野菜の着ぐるみを着て数々の野菜の歌を歌って農業も応援する。子どもに絶大な人気を誇るお笑い芸人として大活躍ですね。
小島 デビューしたころは海パン一丁で踊っていたせいもあって、保護者からの評判は決して良かったわけではないんですが(笑)、ここ数年で変わってきました。
高濱 多くの親は子どもたちにユーチューブを積極的に見せたくはないけれど、小島さんの「おっぱっぴー小学校」は勉強を教えてくれるから、安心して見せることができる。しかも面白い。この、「お笑い×教育」というスタイルを見つけたのってすごいと思う。そのステージで活動している人、ほとんどいないもの。
小島 やっていてすごく楽しいです。
高濱 教育業界に長らく携わってきた人間から見ると、小島さんがやっていることってけっこう革命的なんですよ。学校の教師と塾の教師がひしめく世界に突然やってきた強力な一撃というか。
小島 いやいや、僕はたんに、勉強がわからなくて困ってる子や、学校がつまらないと思ってる子のサポートになればいいと思っただけで、先生方の対抗馬になろうなんて大それた気持ちはないのですが、やってみるとお笑いと教育って親和性が高いなとは感じました。
高濱 そうなんですよ。教えたいことを興味を持たせて相手に届ける技術と、みんなに面白がってもらえるお笑いはすごく相性がいい。もしかしたら教職のカリキュラムにお笑いの授業を加えたほうがいいのかもしれない。そもそも、こうした動画を始めたきっかけはなんだったんですか。
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