もう一つが、地政学リスクだ。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は終わりが見えないうえ、中東ではイスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘が激化し、さらにシリア政府崩壊など戦争範囲が広がる懸念もある。
世界的に有事が起きて世界経済の先行き不安が高まると、安全資産の金が買われやすくなるという。“有事の金買い”だ。
「ここ10年以上のトレンドとして、新興国の中央銀行が金を購入しています。コロナ禍や紛争などの影響による世界経済の先行き不透明感や米ドルの供給増によるドル価値の低下に備え、安全資産であるゴールドを外貨準備として購入し続けているのです」
スポット購入制度
そこにトランプ新政権の政策で世界経済が混乱することになれば、金価格は2025年もさらに上昇する可能性があるという。
「日本国内で購入すると、金相場はドル建てのため、円高は価格を押し下げる要因になります。そういったときに購入して、長期保有するというスタンスで、分散投資することをお勧めしています」
亀井さんがお勧めしている金投資の基本は純金積み立てだ。無理のない範囲で1000円から積み立てできる。金価格が下がったときに買い増しできる「スポット購入制度」を活用してもいいという。金ETF(上場投資信託)も分散投資のひとつに検討したい。ステート・ストリート銀行が管理する「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」、三菱UFJ信託銀行の「純金上場信託(金の果実シリーズ)」は、新NISAの成長投資枠でも購入できる。