丸山茂樹
丸山茂樹

 丸山茂樹さんは、自身が少年時代にあこがれたマスターズの思い出を振り返る。

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 米PGAツアーのバレロテキサスオープン(3月30日~4月2日、テキサス州サンアントニオのTPCサンアントニオ)で、松山英樹(31)は15位でした。

 その前週の試合を途中棄権したので、首の痛みがどうなのかと心配していましたが、大丈夫みたいですね。そこまでひどくなかったけど、マスターズ(4月6~9日、ジョージア州オーガスタのオーガスタナショナルGC)が控えているので大事を取って休んだんだと思います。

 マスターズの結果に触れるのは締め切りの関係で来週号になっちゃいますが、英樹は2年前の優勝者として、相性のいいオーガスタでしっかり戦ってくれたはずです。

 昨年の国内男子ツアーで賞金王に輝いた比嘉一貴(27)にとっては初めてのマスターズ。彼もショットメーカーなので、僕はオーガスタに向いてるかなと思います。

 僕の初出場は1998年、28歳のときでした。初日の前半はよかったんですけど、雨で中断を繰り返して、日没サスペンデッド。そこからはエラい目に遭い続けました。自分の実力もさることながら、マスターズには残念ながら縁がなかったのかな。

 初出場の初日をサスペンデッドで終えた夜、会場近くに借りていた一軒家の火災報知機が鳴ってね。誤作動だったんだけど、ほぼ寝られないまま次の日を迎えちゃって。散々だったなあ。

 9回出ましたけど、9回とも悪天候の日が多くて、サスペンドばっかりでした。ほんとに気持ちよくやれたのは、トータルで5ラウンドぐらいしかなかったんじゃないかなあ。

 もう雨、風、雨、雨、雨みたいな。ハハハハ。途中からはなんか微妙な気持ちになっちゃってね。あんなにマスターズにあこがれてたのに、何でこんなに嫌われてるのかなあって。

 プロゴルファーになる前からマスターズにはすごく目を向けてたというか、トム・ワトソン(73)の81年の優勝を見てあこがれました。

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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