ライター雨宮まみが20代から40代まで様々な世代の女性から寄せられた愚痴に答えていく。愚痴は恋愛、見た目、生き方の問題まで多岐にわたる。そこから滲み出るものは今の社会における生きづらさだ。
雨宮は安易に解決法を提示しようとせず、下町のスナックママのように人々の愚痴に親身に耳を傾ける。そして自身の失敗談や苦労談を聞かせながら、自分の気持ちに素直になるよう呼びかけていく。AVライターとして活躍しながら様々な経験を重ねてきた著者自身が、数多い失敗を糧に得た結論だからこそ、その訴えには説得力がある。
「正しい」とは何かと問いかけながら雨宮はこう述べる。「世の中は正しくありません。正しくないんですから、安心して間違えてください」と。爽快な気持ちと癒やしが読後に残る一冊だ。
※週刊朝日 2016年8月12日号