ブッシュ大統領と皇居でテニスも

 米大統領と日本の皇室は、これまでも親しく交流している。

 1992年、国賓として来日していた米国のブッシュ大統領(ブッシュ氏は父子でそれぞれ大統領を務めたが、父のほう)は、ラケットを抱えて赤坂御用地のテニスコートに現れ、天皇陛下(現在の上皇さま)や皇太子さま(現在の天皇陛下)との試合を楽しんでいる。

 当時、侍従をつとめていた手塚英臣さんは、かつて筆者の取材にこう話してくれた。

「皇太子殿下は、コートを縦へ横へと走り回り、陛下が取り落とした球を拾いまくり、打ち返すという好ゲーム。試合は6-3で陛下、皇太子組が制されました」

 予定の時間を過ぎていたが、ブッシュ氏は「ワンス・モア」と言ってテニスを続け、次のゲームも上皇さまと陛下が制したという。

 そのテニスコートには、まだ赤ちゃんだった小室眞子さんを抱いた秋篠宮夫妻も訪ねて、ブッシュ夫妻と親しく交流をしている。
 

 そして、この日の夜、ブッシュ氏が総理官邸での晩餐会で倒れるという「事件」があった。

 手塚さんによれば、バーバラ夫人は「アマコスト駐日大使のテニスがあまりにふがいなかったので、ジョージ(ブッシュ氏)が倒れた」と冗談を口にしていたという。

 平成の天皇陛下からはブッシュ氏にお見舞いが伝えられ、美智子さまからはバーバラ夫人に手紙が届けられた。
 

 その後、ブッシュ氏は大統領を引退した後、令嬢と一緒に私的に御所を訪ね、親しく歓談されたこともあったという。

 令和の皇室は、新しい大統領とどんな関係を築いていくのだろうか。

(AERA dot.編集部・永井貴子)

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