国王や大統領が対象となる「国賓」の場合、皇居での歓迎行事や両陛下との会見、皇居・宮殿での宮中晩餐会、総理会談、会食などが行われる。
トランプ氏が2019年に来日した際は、「国賓」の様式に沿って接遇した。外務省の担当者は、
「予算も限られていますので、国賓としてお招きするのは、まだ経験のない方を、というのが基本です。めったにない例外として、過去にも国賓でお招きした人物だが、どうしてももう一度――という場合は、十数年から数十年の歳月を置いて同じ国賓待遇でお招きすることはあります」
と説明する。
世襲の王族は別だが、大統領のように数年に1度の選挙で選ばれる共和制の国家元首の場合は、再選回数の制限もあり、長くその地位にとどまることは少ない。そのため、同じ大統領を複数回、「国賓」として招くというケースはそもそも想定されていないのだという。
愛子さまが皇族代表として
では、トランプ氏が3度目の来日をするとなれば、どのような迎え方になるのか。
日本政府が外国の要人を招く様式のひとつである「公賓」の対象は、首相や副大統領なので、トランプ氏はあてはまらない。可能性があるとすれば、2017年の最初の来日時と同じ、「公式実務訪問賓客」とみられる。
この場合、両陛下との会見があるが、皇居や迎賓館での歓迎行事は開かれない。なお、四つ目の「実務訪問賓客」では、天皇との会見もなくなる。
「ただし、親しい国の要人の場合は、様式にとらわれない形での接遇もあります。外国要人サイドと皇室の日程調整がつき、ご希望があれば、御所で両陛下との会見なども行われています」
とは、前出の外務省の担当者。