いまや世界中で評価されている日本の漫画やアニメ。園遊会でもこれまでに数々の著名な漫画家が招待されてきた。天皇陛下も「みんな(漫画を)読んでいますよ」と明かすなど、皇室でも漫画やアニメといったポップカルチャーの人気は高い。
【写真】なんと! 天皇陛下は漫画「テルマエ・ロマエ」を教材に大学で学生に講義をしたことも
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「皇室の方も漫画を読まれるのですか」
2013年10月にあった秋の園遊会。招待された漫画家のちばてつやさんが、当時皇太子だった天皇陛下にたずねると、陛下はこう答えたという。
「結構みんな、読んでいますよ」
「公務で疲れたときに読むと、リラックスできる」
陛下は、ちばさんの代表作である「あしたのジョー」も読んだことがあり、
「日本の漫画やアニメーションが世界中で認められて、すごくいい文化に育ててくださいましたね」
と伝えたという。
陛下から、ちばさんに、
「医学だとか歴史だとかを漫画が表現してくれるので、勉強になります」
と伝えた言葉には、実感がこもっている。
水の研究者でもある陛下は、古代ローマの風呂設計技師が日本にタイムスリップする漫画「テルマエ・ロマエ」も読んでいた。陛下の研究について相談役を務めていた元建設省河川局長の尾田栄章さん(83)は、こう話す。
「水が貴重な時代に、水を潤沢に使うローマ時代の設備に関心を抱かれたようです。皇太子時代に学習院女子大学で学生に講義をした際にも、『テルマエ・ロマエ』の漫画や、女性アーティストの『トイレの神様』の歌詞にからめて話をされたとうかがっております」