いよいよ桜の季節が到来。今年の開花は早目と予想されていましたが、東京では寒さがぶり返して、3月23日現在、満開までは少し足踏みといったところでしょうか。
今回は小石川後楽園とともに江戸の二大庭園と称される、駒込の六義園のしだれ桜をご紹介しましょう。4月3日(日)まで、幻想的な夜の庭園ライトアップも堪能できます。
元禄時代築造の回遊式築山泉水庭園は、柳沢吉保の和歌の庭
六義園のしだれ桜は、東京のお花見ランキングでも、目黒川や新宿御苑と並ぶ人気の名スポット。高さ約15m、幅は約20mの流れ落ちる滝のような見事な大木の桜は、うららかな光に映える昼の姿も、夜空に浮かび上がる幻想的な姿も、どちらも見応え充分です。
六義園では、3月17日(木)から、「しだれ桜と大名庭園のライトアップ」期間として、開園時間が延長されてライトアップされた庭園を楽しむことができます(4月3日(日)まで)。
しだれ桜は、正門のチケット売り場から内庭大門をくぐり、すぐの場所にあります。誰もがそのダイナミックな姿に息を呑むことでしょう。しかし六義園の魅力は、それだけではありません。その奥に広がる回遊式築山泉水庭園で、たっぷりと散策を楽しめます。
六義園は、元禄15年(1702年)に五代将軍・徳川綱吉に仕えた柳沢吉保が、彼が大好きだった和歌のテーマパークとして、自ら設計して築造しました。和歌山や吉野に見立てた景観に、崇徳院や西行など、有名な和歌を当て嵌めたストーリーが込められているのです。
4月3日(日)まで、抹茶と和菓子や軽食が夜まで販売されます
和歌の背景や歌枕のコードは、園内でもしっかりと案内されていますし、正門のチケット売場には、詳しい書物も販売されています。しかし夜のライトアップでは、雰囲気を損なわない程度の灯りになり、文字は少し見えづらくなりますので、要注意。
期間中の開場時間は、9時~21時(最終入園は20時30分)。ライトアップの時間は、日没~21時まで。大泉水の池畔のほとりの「吹上茶屋」や、ベストスポットの眺めを楽しめる「心泉亭」では、抹茶と和菓子セットの販売もあります。夜の池を眺めつつの一服は、お勧めですよ。
けやき広場の「さくら茶屋」では、軽飲食やお土産も販売されます。それぞれ営業時間が異なり早めのラストオーダーとなりますので、入園時に確認されると良いでしょう。
東京の真ん中の夜空に浮かぶしだれ桜で、時を忘れよう
六義園は、JR山手線・東京メトロ南北線「駒込」駅から、徒歩7分。入園料は、一般で300円です。期間中は、駒込駅から徒歩2分の染井門も開門されます。3月23日現在のしだれ桜は、三分咲きとのこと。見頃は3月下旬から4月上旬と発表されています。
都心の本格的な庭園で、これほど見事なしだれ桜を、幻想的な夜の姿まで堪能できるスポットはなかなかありません。期間限定のお楽しみに、是非今年こそは足を運んでみてはいかがでしょうか。