電動キックボードは立ったまま運転するが、電動スクーターは座って運転する。実際、SUGAさんが電動キックボードだといった乗り物は、まぎれもなく電動スクーターだった。電動スクーターはバイクと同じ「原動機付き自転車」に分類され、飲酒運転は行政処分ではなく刑事処罰の対象になる。

 報道によれば、SUGAさんは摘発された当時、血中アルコール濃度が0.227%で、免許取り消しとなる基準値を3倍近く上回っていたという。現行法によれば数値が0.2%以上の場合、2~5年の懲役刑に処されることもありうる。

 こうなると、事件直後、SUGAさんと事務所が発表した「電動キックボードに乗って」という内容は、問題を意図的に小さく見せるための「虚偽」の可能性だったとも考えられる。

 そして、SUGAさん側は「警察から反則金処分を受けた」と最初に釈明したが、この説明にも疑惑が生まれる。警察は「飲酒運転が確定すれば検察に送致する予定」とし、行政処分ではなく刑事処罰の対象になりうることを説明。免許取り消し以外の処分はまだ確定してはいない、との見解を公表している。

エスカレートするSUGAさんと事務所へのバッシング

 SUGAさんのうそ疑惑の波紋は想像以上だった。13日、ソウル地下鉄龍山駅近くにあるBTSが所属する事務所、HYBE本社の前には約20個の花輪が建てられた。そこには「ミン・ユンギ(SUGAさんの本名)脱退せよ」「あなたの墜落を祝う」などの文章が書かれた大型リボンが貼られていた。花輪の写真は、インターネットコミュニティーに広がった。

 17日にはHYBEの本社前に2台のトラックが現れた。そこには大型LEDが載せられ、「飲酒運転犯人SUGA脱退D-Dayは今日」などSUGAさんを非難し、脱退を望むコメントが書かれていた。このトラックの写真もSNSなどを通じて広がった。

 BTSのファンも動揺を隠せなかった。ファンコミュニティーには、SUGAさんが他のメンバーのためにも脱退しろという声と共に、彼に対してたまっていた過去の不満まで打ち明ける反応まで出てきた。「SUGAがコンサートのとき、青少年ファンの前で興奮して悪口を言った」「BTSが世界的に名を馳せたからといってKポップ歌手をバカにするようなSNSポスティングを掲載した」などの問題が再燃した。

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「飲酒運転とうそ」で芸能活動が“終わった”歌手も