軽井沢の歴史とともに歩んできた万平ホテル
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富士屋ホテル 明治28年建築 旧御用邸・別館「菊華荘」

 猛暑が続いているが、世の中は夏休み、行楽の季節。貴重な休日を過ごす皇族方の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2013年10月1日に掲載した記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

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 公私で全国各地を訪問される天皇ご一家。日本中に天皇家ゆかりの宿がある。

 筆頭が箱根の富士屋ホテルだ。和風別館「菊華荘」は旧宮ノ下御用邸である。

 歴史を振り返ってみよう。明治以後、全国13カ所に御用邸がつくられたが、現存するのは那須(栃木県)、葉山(神奈川県)、須崎(静岡県)の3カ所で、ほかの10カ所は、空襲で焼けたり、売却されたりして、宮内庁の管理下を離れた。

 ただ、宮ノ下御用邸だけは、戦後すぐに隣の富士屋ホテルに払い下げられた。なかでも、別館・菊華荘は全国で唯一、一般人が泊まれる「御用邸」となった。

 偶然のいたずらか、富士屋ホテルは、美智子さまのご実家、正田家の定宿でもあった。ご結婚前、家族旅行で美智子さまは同ホテルを訪れた。このホテルで最後の家族会議の末、ご結婚を決意されたとされる。

「5年後、皇太子妃となった美智子さまは公務で天皇陛下(当時は皇太子)と同ホテルを訪問されました。この際、結婚前からお好みだったチョコレートナッツサンデーをリクエストされたそうです。天皇陛下は名物のビーフカレーを召し上がりました。どんな感慨を持って食べられたのか」(宮内庁関係者)

 チョコレートナッツサンデーは特製のアイスクリームにチョコレートシロップをかけ、胡桃をちらしたもの。いまでも、チョコレートナッツサンデーは800円、ビーフカレーは2400円で食べることができる。
 

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