――紆余曲折を経た現在の森脇さんを支える原動力を教えてください。
石にかじりついてでもこの芸能界に残りたい。それだけですよ。高校時代にあれだけ頑張ったんだから、今も「がむしゃらにやらなきゃだめだ」という思いがあります。高校時代の森脇健児少年がライバルです。当時丸刈り頭だった僕がタイムスリップしたときに今の自分を見て、「40年経っているけど、芸能界でメチャメチャ頑張ってるやん」って思われる生き方をしたい。僕は57歳で三浦カズ(知良)さんと同じ年なんです。今でも現役のサッカー選手で頑張っているじゃないですか。世間に何を言われようと、自分の生き方を貫いている姿がかっこいい。僕も60、70歳になっても「赤坂5丁目ミニマラソン」で優勝を目指して、全力で坂を駆け抜けたいです。
希望しかないです
――若手としのぎを削っている姿に、心を揺さぶられる視聴者は多いと思います。
いい時期って長くは続かないと思うんですよ。つらいときにもがくことが次につながる。結婚して30年ぐらい経つんですけど、ブレークして東京で生活しているときも、仕事がなくなって京都に戻るときも、妻が何も言わずに支えてくれました。今は子供が28歳と25歳で独り立ちして。どの仕事もそうですけど、自分の好きなことに一生懸命な人ってかっこいいじゃないですか。これは僕の個人的な思いですけど、タレントをやりながらいろいろな副業をやってもうかっている人も良いですが、ライブや営業で一生懸命やって月給10万円、20万円で子育てをしている芸人の方が素敵だなって。不器用だけど応援したくなるじゃないですか。
僕は「こんな番組に出たい」とかないんです。この世界でお仕事をいただけることがありがたいですから。どん底を一度味わいましたし、希望しかないですよ。これからもオファーがくる限り、いろいろなことにチャレンジしたいです。
(平尾類)