エマニュエル・ベアールに長いお説教をされたのならば、それはそれで記事にできたかもしれないが、相手はいち通訳。そして、記者に与えられた15分の時間は、あっという間に終了してしまった。

 地球の反対側から招いた記者に取材をさせない対応もどうかと思うのだが、筆者に脳内でも再び『Theme From Mission: Impossible』が始まった。

 どうやって記事をまとめよう……。

トム・クルーズが道頓堀をクルーズ!?映画宣伝のために来日し。大阪・道頓堀をクルージングした。 ハートのマークを作り、ファンの声援に応えるトムのサービス精神にキュン!=2014年6月26日

シュワちゃんはチャーター機で日本全国を

 2泊4日のうち、取材時間はたった15分。そんな豪快な宣伝プロモーションのおかげもあってか、96年公開の本作品の興行収入は全世界で4.5億ドル(約675億円/当時)を超え、世界的な社会現象を生む大ヒット作となった。

 そんな90年代後半から2000年代初めの映画の宣伝に関わっていた関係者は、『ミッション:インポッシブル』が公開された当時の映画宣伝は「豪快だった」と振り返る。

「96年は、メジャー系の映画配給会社各社の宣伝が派手だった最後の時期ですね。あの頃は毎月のように主演の俳優たちが来日して、記者会見を開いていた気がします。とにかく有名無名でも呼ぶというか来るというか、そんな時代。日本のマーケットは重要でしたし、宣伝も派手で、お金がありましたね」

 たとえば、映画『バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲』のアーノルド・シュワルツェネッガーは、飛行機をチャーターして東京、大阪、福岡を回って宣伝活動をしたという。他の作品でもトム・クルーズは、東京だけでなく、大阪や福岡などの地方にも出向いたり、新幹線ジャックみたいな宣伝活動をしたことも記憶にある。
 

 豪快かつインポッシブルな『ミッション:インポッシブル』のインタビュー取材を経験した筆者だったが、しっかりこの映画のファンとなり、3作いずれも映画館で鑑賞。テレビの「金曜ロードショー」ももちろん楽しんだのだった。

(AERA dot.編集部・太田裕子)

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