AERA 2024年6月17日号より

 公益社団法人「マリッジフォーオールジャパン」(東京)によると、1989年にデンマークで同性カップルに異性婚とほとんど同じ権利が認められる「登録パートナーシップ法」が作られ、01年にはオランダが同性婚を導入。24年3月現在、37の国・地域で同性婚が可能となっている。G7で異性カップルの結婚と同じ権利を同性カップルに認めていないのは、日本だけだ。

 日本では、同性婚を認めない現行法は憲法違反だと訴える訴訟が各地で起こされており、地裁や高裁で「違憲」とする判決も出てはいる。だが、立法に向けた具体的な動きはまだない。

 5月23日の参院法務委員会で、小泉龍司法務大臣は立憲民主党の石川大我議員から同性婚について問われ「多くの国民が理解した上で同性婚が認められれば、間違いなく幸せの量は増えると思う」と答えたが、岸田文雄首相は1月の衆院本会議で「国民各層の意見、国会における議論の状況、同性婚に関する訴訟の状況等についても注視していく必要がある」と述べるにとどまっている。

「偏狭な価値観で私たちを虐げてきた日本政府や周囲の人たちへの挑戦だった」

 生まれ育った日本を去り、難民申請をした2人の言葉が重く響く。(朝日新聞記者・大貫聡子、花房吾早子)

AERA 2024年6月17日号より抜粋

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