AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:人生を過ごす中で、私に張り合ってくる人と多く出会います。私になら勝てる!と思うから張り合ってくるのでしょうか?じゃあもう、あなたが勝ってるから放っておいて、と思ってしまいます。私のことは何も分からないし、分かる気持ちもないだろうに、本当にめんどくさいです。私が心を開いている人からはあまり張り合われたことがありません。(女性/司書/42歳/うお座)
A:理由もわからず相手からライバル視されてしまうことって、ありますよね。そういう人って勝たなくていいところで勝とうとしてきます。休みの日にどこに行った、とかね。
かわいい張り合いのようにも思えますが、問題は結構根が深い。奥底にあるのは「この相手を認めてはいけない」という心の動きだから。本人も気づかないうちに敵認定して相手にダメージを与えようとする、闇のようなものをその人は持っている気がします。
なぜか張り合ってくる人たちのこと、僕は「幸せ腕試し組」と呼んでいます。ある幸せを手に入れるために、いろんなルートをまだ試してみたい人たち。彼らが敵対視するのが、すでに幸せを手に入れた人です。
幸せを現に持っている人って、幸せの大変さも知っているし、幸せになるためには全部は持ち込めないということも知っています。だから余計なことをしません。今の幸せをキープするためには、こっちの欲望はあきらめなければいけない、あっちには足を踏み入れてはいけないという規律がわかっていて、それを守っているんです。
ところが幸せ腕試し組は、あっちの幸せもほしいし、こっちの幸せもほしい。もっと試したいし、余計なこともしたい。それで、幸せが定まっている人を見ると心がざわつくのだと思います。