新社名には14万156件の応募があった。社名には「STAR(スター)+と(未来へ向かう)」という意味がこめられているという

新社名「公募」に疑問

 そもそも、新社名の決定の仕方がおかしい、というファンもいる。

「単なるイベントになっただけだと思います」

 と話すのは、高校生の時からの旧ジャニーズファンだという女性(30)。3人組のNEWSの小山慶一郎さん(39)のファンで、彼の笑顔に元気をもらってきた。だが今年4月、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんがジャニー氏からの性被害を訴える会見をテレビで見て、衝撃を受けた。

「私がずっと応援していたタレントが所属している事務所で性暴力があったというのが、本当に信じられない気持ちでした」

 この女性は、SMILE-UP.はジャニー氏の性暴力について時間をかけて検証し、再発防止について考えていくべきと思っていた。そんな中、新会社をつくるので社名をファンの皆で考えましょうというのは「イベント」のように思えて仕方がなかった。

「新会社を設立するのは、ジャニー氏の功績を後世に引き継がないのが目的のはずです。しかし、その真意が伝わってきませんでした」

 新社名を「公募」にするのであれば、その理由と新会社の方向性を示し、それにふさわしい名前をファンと共に考えたいと言ってくるのなら理解できる。だが、SMILE-UP.から送られてきたメールには、新会社の社名案と、そこに込めた思いなどを100文字以内で記入する応募フォームがあっただけ。女性は応募しなかった。

「名前に込めた思いを、ファンである私たちが書く意味が分かりません。大切なのは、新会社をどのような会社にしたいかではないでしょうか」

 実際、ファンの思いは悲喜こもごもだ。

「アイデンティティークライシスに近いものがあります」

 揺れる思いを語るのは、大学院生の女性(20代)。嵐の櫻井翔さん(41)のファンだ。

コメントに「失望した」

 櫻井さんのファンになったのは小学生の時。テレビのバラエティー番組で櫻井さんを見て「一目惚れ」した。

 調べると、櫻井さんは高校や大学に通いながら芸能活動をし、政治や社会問題にも目を向けていた。そんな彼をリスペクトし、以来、櫻井さんの背中を追ってきた。大学に進み学問をする道を選び、いまは大学院で社会に目を向けた研究をしているのも、櫻井さんから受けた影響が大きかった。まさに、自身のアイデンティティーを形成してくれたのが櫻井さんだった。

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