メーガンさんとヘンリー王子(写真/アフロ)

 スコビー氏はイギリス・ウエールズ生まれ。母親はイラン人のソーシャルワーカー、父親はイギリス人でマーケティングディレクター。名門ロンドン芸術大学コミュニケーション学科を卒業、アメリカの雑誌に英王室の記事を書く仕事でメーガンさんと会った。『エンドゲーム』は11月28日発売予定だったが、欧米の複数の媒体でその前から内容が明かされた。

 この本では、ロイヤル一人ひとりについて暴露に次ぐ暴露を行い、揶揄と批判が出所を明らかにしないまま書き並べてある。チャールズ国王(75)を“おむつ国王”と決めつけ、国王は靴ひもにもアイロンをかけさせるという。ヘンリー王子を「あの愚か者」と呼び、王室の面々に「ヘンリーを信用するな」とメールを送った。ウィリアム皇太子(41)については、「パワーハングリー」と評する。権力に飢えた王位継承者は、チャールズ国王の治世は短いと踏んで、自分の時代を心待ちにする。

「ほほ笑むしか能がない」とも

 特に痛烈なのは、キャサリン皇太子妃(41)に関する描写だ。彼女は冷淡な人で、メーガンさんが自死を思うほどつらい時に助けを求めたが無視された。一方で妃はメンタルヘルスの重要性を訴える活動を行う。「矛盾しているではないか」と言いたいのだろう。また、妃は間違いを犯すのを極端に怖がり、王室の慣習や規則から逸脱できない。したがってカメラに向かってほほ笑むしか能がない。これに対して、ウィリアム皇太子が激怒したと伝えられている。

 同時に暴露本への批判も次々と起きている。以前メーガンさんを批判していた司会者ピアーズ・モーガン氏は「スコビー氏は王室のごみを集めて生計を立てている」と言い放った。

 メーガンさんは英王室と自分たちとの近さを、ヘンリー王子を通してアピールすればアメリカでのビジネスの突破口となると信じていた。しかし『エンドゲーム』は英王室とイギリスの人たちを激怒させている。メーガンさんの希望通りになるだろうか。(ジャーナリスト・多賀幹子)

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