「D.U.N.K.」では事務所も先輩後輩も関係なく、みんなが伸び伸びと楽しくダンスができる環境を目指す[撮影/蜷川実花、hair & make up paku☆chan styling 安本侑史、 costume TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.]
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 ラッパー、プロデューサー、経営者、いくつもの顔を持つSKY-HIさん。事務所の垣根を越えるダンス&ボーカルプロジェクト「D.U.N.K.」について語った。AERA 2023年12月4日号より。

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――今年3月、ダンス&ボーカルグループが集結する祭典「D.U.N.K. Showcase」を開催し、様々な事務所に所属するアーティスト同士のコラボを複数実現させた。そこからわずか9カ月というスパンで2回目を開催する。

SKY-HI:興行の主催者である日本テレビから1回目の「D.U.N.K.」の本番日に「12月に2回目を開催するのはどうですか?」とオファーされました。その頃、TBSの「音楽の日」での事務所の垣根を越えたダンスコラボの話をいただいていたり、他局の方から「『D.U.N.K.』みたいなことがやりたい」と相談を受けたりもしていたので、時代が変わる予感がありました。そして、12月はBE:FIRSTに続く第二のグループであるMAZZELがデビューしてから半年が経っている。さらにNissyと楽曲を作る話も水面下で動いていたので、いろいろなパズルがハマると思いました。今の時代の速さを踏まえても、9カ月後の開催は決して早くはないと感じました。

 ダンス&ボーカルに限らず、一般的な興行では、自分の出番が終わったら会場を出ることが当たり前で、他のアーティストのライブを観る機会はそうそうない。だから、フェスやイベント出演がきっかけで友達ができることなんて稀なんです。でも僕が長年出演しているロックフェスのバックヤードは出演者同士が仲良くなりやすい環境で、僕自身何人もバンドの友達ができたし、楽しい思い出がいっぱいあって。「D.U.N.K.」もそういう場所にしたかったので、様々な趣向を凝らしました。結果、出演者同士がすごく仲良くなったのが1回目でした。ライブ中、出演者全員にとってホームのような空気があったのも良かった。一言で言うと、表も裏も空気が良いイベントでした。

責任を自覚すること

――前回のトリを務めたのはBE:FIRST。SKY-HIがデビュー2年目の彼らに課していた「責任を自覚すること」というテーマを全うしたステージだったと振り返る。

SKY-HI:集客力や注目度だけが理由のトリになってしまっては、BE:FIRSTのためにもよくない。日本のダンス&ボーカルシーンは長い間、マッチ棒の火くらいの存在感をいろいろな人が消さずに紡いできて、ようやく松明とガソリンがあるところに辿り着けた。その重みを感じた上でのトリのパフォーマンスができたら、プライドも覚悟も責任感も育つと思ったんです。結果、「ダンス&ボーカルシーンの未来は明るい」と思わせてくれる、カルチャー全体に対しての責任と覚悟が感じられるヒリヒリしたステージを見せてくれました。

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