ユナイテッド・シネマ ウニクス秩父 支配人 柴田茜(しばた・あかね)/1982年生まれ。2004年、ユナイテッド・シネマ長崎でアルバイトから始め、07年にマネジャー昇格。16年に福岡市のプレミアム・ダイニング・シネマのオープニング担当。22年から現職(撮影/写真映像部・東川哲也)
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 全国各地のそれぞれの職場にいる、優れた技能やノウハウを持つ人が登場する連載「職場の神様」。様々な分野で活躍する人たちの神業と仕事の極意を紹介する。AERA2023年12月4日号にはユナイテッド・シネマ ウニクス秩父 支配人 柴田茜さんが登場した。

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 2022年、実に29年ぶりに、埼玉県秩父市に映画館が開館した。その館を立ち上げ、支配人もこなす。人口約6万人の街で、年間来館者数13万人の目標を1年目で達成した。

 夜8時には寝て、朝の4時半に起き、誰よりも早く映画館に行く。まずは館内の確認・清掃をなるべく細かく行い、売店で販売するポップコーンを作るなどして準備する。

 オープン後はお客様の対応だ。困った様子の人には、すぐに声をかける。声をかけられたら、笑顔で対応する。コミュニケーションが最も重要だと話す。映画館が長年なかった地域のため、「過去の作品を上映してほしい」と依頼されることもある。地元の声にこたえようと本社の担当部署と連携し、これまで数作の上映を実現してきた。

「地元の方に、映画館に来ることは特別なことでなく、生活の一部にしてもらいたいんです」

 04年、長崎の映画館で、すてきな接客をしていた人が印象的で、その人と一緒に働きたいとアルバイトに応募。掃除も、接客も、何もかもが楽しかった。なにより、ポップコーン作りが好きで、一日中でも機械を触っていられた。

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