1990年代、CDに主役の座を奪われて以降、すっかり過去の遺物となってしまった「カセットテープ」が“復権”の兆しをみせている。ソニーが2012年7月にカセットテープの新製品を発売したほか、カセットテープによる新曲発表に力を入れるアーティストやレーベルが増えるなど、その存在に光が当たっている。今回は、40代以上には懐かしく、若者には新鮮な存在である「カセットテープ」に関するガジェットを紹介したい。
■懐メロを保存しておこう!
見た目はほとんどポータブルオーディオプレーヤーである「MP3ファイル変換機能搭載 ポータブル カセットテープ プレーヤー」。その名の通り、カセットテープの音源をMP3ファイルに変換してくれる機器だ。パソコンを介さずに、USBメモリに保存できるので、パソコンの容量を圧迫しないで済むのがありがたい。ただ、カセットテープの種類によって再生・録音ができないケースがあるので注意が必要だ。
当時、好きだった曲を集めて、カセットテープに録音した人は多いだろう。懐かしさのあまり、今でも捨てられずに残している人も少なくないはず。ただ、久しぶりに聴きたいと思っても、カセットテープを再生する機器がない……そんな人のためにおススメのガジェットである。初めての恋人とドライブで聴いたあの懐メロの音質が劣化する前に、MP3ファイルに変換して保存しておこう。
■まるでカセットテープ!
もうひとつが、パナソニックのカセットテープ型ICレコーダー「備忘録」だ。見た目のデザインはもちろん、録音中はカセットテープが回るような液晶がディスプレーに表示される。録音時間や、録音可能な残り時間などがディスプレーに表示されるほか、操作方法を教えてくれる音声ガイドがついており、お年寄りでも使いやすいようになっている。
かたくなにデジタル機器を避けてきたが、仕事やプライベートでどうしても音源をとらなくてはならなくなった……そんな人にうってつけのガジェットだ。
デジタルが生活の中心にある今、形だけでもアナログに回帰する、そんな楽しみ方もあるかもしれない。
(ライター・佐野泰人)