最近、ホテルなどの宿泊施設で企業から頼まれて、講演や研修をしていると、隣から歌声が聞こえてくることが何回かあった。
調べてみると、カラオケ大会をしていたり、同窓会をしていたり。
たいていの場合、どうみても平均年齢は、高い。
でも、みんなスーパーごきげん。
そういえば、地域のお祭りなどの出しものでも「おやじバンド」が流行っている。
「おやじ」といっても、こちらは、50代、60代くらいで、サザンオールスターズやスピッツやアリスなどの曲を、お客さんが聞いていても聞いていなくてもごきげんに歌っている。
そして、77歳のうちの母。
元々、小学校の先生をしていたけれど、当時小学生だった子どもたちも、とっくに還暦を過ぎているメンバーも多い。
同窓会の写真を見たら、どちらが先生で生徒か分からない。
そのうえ、みんな暇だから、しょっちゅう同窓会を開催している。にもかかわらず、
「この間、みんなでカラオケに行ったら、◯◯くんたら、歌詞のところで、『あやこ』(わたしの母の名前)なんて、わたしの名前に変えて歌うのよ。照れるわ」
なんて言いながら、とっても嬉しそう。
先日、ひとりでカラオケに行くという年配の女性と話をした。
「ひとりって、寂しくないですか?」
と、尋ねたら、
「練習は、ひとりのほうがいいわよ」
と、いう答えが返ってきた。思わず、
「本番があるんですか?」
と、尋ねてみたら、カラオケ大会にエントリーしているらしい。
実際、「ひとりカラオケ」は、けっこう流行っているらしい。
ためしに講演会などで、
「ひとりでカラオケに行ったことがある人、手を上げてください」
と、尋ねると、かなりの数の手が上がる。
考えてみれば、二人でカラオケに行く時点で「ひとりカラオケ予備軍」かもしれない。相手の歌なんて聞いてない。相手が歌っている時に自分が次に歌う歌を探している。