竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
この記事の写真をすべて見る

「コンビニ百里の道をゆく」は、54歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

【この記事の写真をもっと見る】

*  *  *

 ハワイ・マウイ島の山火事にて被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。

 ローソンでは1991年からハワイで「FC(フランチャイズ)再契約記念ツアー」を実施しており、ハワイは特別な場所です。FCの契約期間(10年以上)を満了し、新たに5年または10年、再契約されたオーナーご夫妻を中心にご招待しています。毎年6月と11月に実施していましたが、コロナの制限が解除され、この6月、4年ぶりの開催となりました。

 3泊5日の旅で、改めてオーナーの皆さんと本部の絆を確認するローソンにとってとても大事なイベントです。

 以前は参加対象者の7割ほどの出席率。今回は9割近く、約650人の方が来てくださいました。皆さん心待ちにしていたんだなと実感しました。サンセットディナークルーズでは、私はホテルから皆さんを乗せたバスを船着き場でお出迎え。各回約100人ずつで、私は計6回乗船しました(笑)。

 コロナの間は大変だったけどローソンのお店をやってきてよかった。そんな言葉を聞くと本当にうれしくなりました。遠く離れたハワイでは皆さん本音で、日頃は言えないこともお話しされるなど、ツアーの良さを再確認しました。

ハワイで行われた「FC(フランチャイズ)再契約記念ツアー」の様子

「おやじとお袋からオーナーを引き継ぎました。これからの10年は2代目として頑張ります」とか、30年契約されている方がお孫さんを連れてこられたり、オーナーさんのご家族として一緒に104歳の女性もいらっしゃったり、楽しい時間を過ごしました。

 ローソンももうすぐ50周年。次の50年も皆さんと力を合わせて作り上げて、100周年も皆さんとまたこの船の上でお会いしたい。そんな話もしました。そのとき私は105歳くらい。オーナーさんたちと共にバトンをしっかりつないでお客様に愛されるローソンを創り続けたい、そんな思いを強くした旅でした。

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

AERA 2023年9月4日号