露出は明るさを決定する写真表現の基本

POINT
[1]露出はカメラが受け取る光の量。写真の明るさを決定する、とても大切なものです。

[2]主に絞りとシャッター速度で決まります。

[3]明るさの目安は覚えなくてかまいません。



露出はカメラが受け取る光の量

 カメラや写真を勉強していると、必ず「露出」という言葉が出てきます。これはカメラが受け取る光の量のこと。光が多ければ明るい写真になり、少なければ暗い写真になります。露出の考え方は、下のビーカーに水を溜めるシーンを思い浮かべればわかりやすいでしょう。ちょうどいい光の量(適正露出)より多ければ、明るい写真になります。
 ただ、水(光)の溜め方は一様ではありません。下の円柱の図のように、一気に短時間で溜めることもできますし、ゆっくりと時間をかけて溜めることもできます。どちらでも同じ露出になります。しかし、写真はまるで違ったものになります。
 露出は、「絞り」、「シャッター速度」、「ISO感度」の3つで決まります。それぞれについては後のページでゆっくり解説しますが、これらのバランスで、写真は自在に変化します。露出が大切なのは、単に明るさだけでなく、表現が関係するためです。
 人の目はよくできていて、普段、多少明るくても暗くても、同じように見ることができます。しかし実際の光の量はものすごく変化します。それをかんたんにまとめたのが下の表です。EVという単位が使われますが、これが「1」増えれば、明るさは2倍になります。EV6と16では、1000倍も違うことになります。しかし、この表は覚えなくて大丈夫。通常はカメラが判断した明るさを基準に操作するためです。






カメラは光の量を計測し、撮影に必要な露出を決定します。光の計測は、フレーム(撮影できる範囲)全体を使った「評価測光」のほか、中央部を測光する「部分測光」、さらにごく狭い範囲で測光する「スポット測光」などがあります。たとえば舞台撮影など、極端な明暗差があり、シャッターチャンスにシビアなシーンでは、スポット測光が便利です。ただ、デジタルカメラが主流になった現在では、評価測光が一般的で、この本も評価測光を前提に解説しています。
カメラは光の量を計測し、撮影に必要な露出を決定します。光の計測は、フレーム(撮影できる範囲)全体を使った「評価測光」のほか、中央部を測光する「部分測光」、さらにごく狭い範囲で測光する「スポット測光」などがあります。たとえば舞台撮影など、極端な明暗差があり、シャッターチャンスにシビアなシーンでは、スポット測光が便利です。ただ、デジタルカメラが主流になった現在では、評価測光が一般的で、この本も評価測光を前提に解説しています。





キラキラと反射する光がレンズに入る、とても明るいシーンです。水面が真っ白にならないように露出補正で暗くしていますが(−1 . 0 E V )、シャッター速度は1/1250秒まで速くなりました。
キラキラと反射する光がレンズに入る、とても明るいシーンです。水面が真っ白にならないように露出補正で暗くしていますが(−1 . 0 E V )、シャッター速度は1/1250秒まで速くなりました。



飲食店などの店内は照明が暗い場合がよくあります。光の量が少ないため、シャッター速度が遅くなり、手ぶれしやすくなります。このシーンではISO感度を上げ、1/60秒を確保しました。
飲食店などの店内は照明が暗い場合がよくあります。光の量が少ないため、シャッター速度が遅くなり、手ぶれしやすくなります。このシーンではISO感度を上げ、1/60秒を確保しました。





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