AERA 2023年8月14-21日合併号より

 検証段階では、プロジェクトチームに現場の教員も参加。検証を徹底して行った。授業時間が減るとなると、教員は「教科書が終わらないのでは」「授業が駆け足になるのでは」と不安になるものだ。年度内に必要授業時数を確保できることを示すと、不安は納得に変わった。私も教員出身だから分かるが、6時間授業は教員も児童生徒もくたくたになる。そんな実感をもとに練った最終案は、現場が望んでいるものに近いものになったと思う。

 意外だったのは保護者の反応だ。共働き世帯が増える中、夏休みの短縮には反対より歓迎の声が多かった。下校が早まる点については「問題行動が増えるのでは」という心配の声も上がったが、実施後は「友だちと遊ぶ時間が増えた」「塾の前におやつを食べて行けるようになった」「明るいうちに帰宅して安心」など、約8割が好意的だ。

 守谷型カリキュラム・マネジメントは大きな予算を要せず、地域の実情に合わせて応用できる。なにより、子どもや先生を笑顔に、元気にする改革だ。

(構成/ジャーナリスト・高比良美穂、柴野聰=社会応援ネットワーク)

AERA 2023年8月14-21日合併号