棒の先にスマートフォンを取り付けて、離れたアングルから撮影できる「セルカ棒(セルフカメラ棒)」。「セルフィー棒」「自撮り棒」とも呼ばれ、昨年、日本・韓国を中心にアジア各国で大ヒット。人気はたちまち欧米にも広がり、米誌『タイム』は「2014年の25大発明品」のひとつに選出しました。
手軽に持ち運びできるので、旅先や観光地での記念撮影にも大活躍。ゴールデンウィークを前に、購入しようという人も多いと思いますが……実はいま、セルカ棒の使い方をめぐって、さまざまな問題や議論が起きているのです。

簡単・手軽に“自撮り”できると大人気の「セルカ棒」ですが……
簡単・手軽に“自撮り”できると大人気の「セルカ棒」ですが……
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人気の裏で、使用者のマナーが問われている

ここ最近、街の中でセルカ棒を持って、“自撮り”している人をよく見かけますよね。でも、撮ることに夢中になって、周囲に迷惑をかけているケースも少なくないようです。
ツイッターなどのネット上では、
「混雑した場所で使われると迷惑だし、危ない」
「交差点で自撮りしていた人のセルカ棒が、目元に突き刺さりそうになった」
「周囲を見ていないので、通行人にぶつかる。邪魔だ」
など、使用マナーを問うコメントが急増。
テーマパーク内での使用をめぐっても、同様に議論が炎上しています。
すでに東京ディズニーリゾートでは、他の来場者に影響するとの理由から、一脚・三脚など撮影補助機材の使用を禁止しています。もちろん、セルカ棒もこれに該当するため使用禁止。一方で、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは、特に禁止はしていません。
たしかにセルカ棒は手軽で便利なアイテムですが、さらに普及が進めば、使用にからむトラブルや事故も起きかねません。今後は、さらなるマナーアップの呼びかけや、場所によっては使用禁止などの規制が必要となってくるかもしれません。
※東京ディズニーリゾート内での禁止事項についてはリンク先参照

知らずに使って逮捕!? なんて可能性も

セルカ棒を使う際には、もうひとつ注意すべき点があります。
とくに、Blue tooth(ブルートゥース)などを搭載した、遠隔シャッター機能付きのセルカ棒を持っている人は要注意。使用しただけで、場合によっては違法になる恐れがあるからです。
日本国内でBlue toothなどの通信機器を使用するためには、法律に基づいた認可が必要となります。したがって、技術基準適合証明がない商品の場合、販売者だけでなく使用者も電波法違反の疑いで罰せられる(100万円以下の罰金、または1年以下の懲役)可能性があるのです。
現状を見ると、市場には値段の安い違法商品も出回っているため、知らずに購入して使っている人も少なくないようです(もちろん違法です)。

購入前に「技適マーク」を確認しよう

認証を受けた商品には「技適マーク」のシールが貼られていますので、購入する際にはシールの有無を必ずチェックしましょう。また、技適マークが付いていても、国外で使用すると罰せられる可能性があるので、海外旅行などの際にはとくに注意が必要です。
いくら便利であっても、場合によってはマナー違反や法律違反にもなってしまうセルカ棒。行楽や旅先での楽しい思い出づくりのためにも、良識を持って正しく使いたいものですね。