トム・クルーズ主演の「ミッション:インポッシブル」最新作、「デッドレコニングPART ONE」が公開中だ。61歳になった今も、飛んで落ちて走り続けるスーパーヒーロー・トムは健在だ。AERA 2023年7月31日号から。
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「たいした肝っ玉野郎だ!」
これは「トップガン マーヴェリック」で、トム・クルーズ演じる海軍大佐が、テスト機でマッハ10をぶちかました時に海軍少将が思わず放った言葉だ。
そしてこの夏、「ミッション:インポッシブル」(以下、「M:I」)シリーズ最新作「デッドレコニングPART ONE」を観た瞬間、私の口からも思わずだだ漏れるフレーズ。
「トム、お前の肝っ玉どうなってんだ!?」
まずあなたは映画館の椅子に座る。すると概念(幻)のセーフバーが降りてきて安全確認し、いざスタンバイ&ゴーしたらもう止まりません、この映画。
トムと共にえげつない砂嵐と銃撃の雨アラレをかいくぐり、ローマでは脳髄揺さぶるカーチェイス。しかもそれは黄色いフィアット500!
やだもうトム、いつからあなたはルパン三世に? ていうか入りくんだ石畳の市街をかっとんでいく500(チンクエチェント)。今、我々は最高のルパン実写化(ルパンではありません)を観ている……と、この場面、日本人のオタク心に刺さりまくるから観て、絶対観て。
そしてトムはいよいよいくつ肝っ玉があっても足りない状況に突入。いつもだよ! 暴走する機関車に飛び移るべく、標高1200メートルの崖からバイクで大ジャンプだ!
■命を賭けたアクション
まず女性の方々に言いたいのは、このシーンほんとに無いタマがひゅってなります。巨大絶叫マシンのてっぺんから垂直に落下する瞬間、まさにあの感覚。
しかもこのダイブ、OKカットまで6回も繰り返したというトム・クルーズ、現在61歳。
ノンストップアクション映画は数あれど、「M:I」シリーズはその凄まじさがリアルに肌をザワつかせる。それはきっとスタントを使わずに、トム自身が身を賭して危険すぎるアクションに挑戦しているからだ。